第62回IAEA総会始まる、松山科学技術大臣「プルトニウム保有量を減少させる」方針を強調

2018年9月18日

 国際原子力機関(IAEA)の第62回総会が9月17日から21日まで、ウィーンで開催されている(=写真上)。天野之弥事務局長は今回ビデオメッセージでの発表となったが、その中で、あらためてIAEAが核不拡散と加盟国の発展のための原子力利用を支援する任務を負っていることを強調した。
 日本政府代表として総会に出席した松山政司科学技術政策担当大臣は、代表演説で北朝鮮の核問題に触れ、今年6月の米朝首脳会談において北朝鮮が示した「完全な非核化」にむけた意思を包括的な解決への一歩として支持すると述べる一方、北朝鮮の非核化実現のためにはIAEAが知見や経験を活用し中心的な役割を果たすことができるよう、国際社会の協力を要請した(=写真下)。
 我が国の原子力政策については、改定された「エネルギー基本計画」の中で、再稼働を安全最優先で進めつつ2030年のエネルギーミックス実現を図るとともに、2050年を見据え、安全性や機動性に優れた原子炉追求に取り組むことを訴えた。
 また、原子力委員会が15年ぶりに我が国のプルトニウム利用の基本的な考え方を改定したことを紹介した松山大臣は、あらためて「利用目的のないプルトニウムは持たない」原則を堅持するとした上で、我が国としては「プルトニウム保有量を減少させる方針であり不拡散の問題はない」ことを強調した。