中国で3基目のAP1000、三門2号機が営業運転

2018年11月7日

©CNNC

 中国核工業集団公司(CNNC)は11月6日、浙江省の三門原子力発電所(=写真)で試運転中だった2号機(PWR、125万kW)が、5日の夜10時頃に営業運転の開始条件を達成したと発表した。
 フル出力による168時間の連続運転に成功したもので、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000として営業運転入りしたのは三門1号機、海陽1号機に次いで世界で3基目。これにより、中国における商業炉は42基、4,155万kWとなった。
 これは米国、仏国に次ぐ原子力設備容量だが、中国ではさらにAP1000を採用した海陽2号機や、フラマトム社製・欧州加圧水型炉(EPR)となる台山1号機などが試運転を実施中。2020年までに運転中の原子力設備を5,800万kWとすることを定めた同国の開発目標は、達成に向けて大きく進展している。

 同炉の建設工事は、1号機が着工した8か月後の2009年12月に始まった。建設工事を担当する三門核電有限公司には、CNNC傘下の中国核能電力股分有限公司が51%を出資している。同炉は今年8月17日に初めて臨界条件を達成した後、同月24日から国内送電網に接続され、試運転を続けていた。

 後続のAP1000建設計画としては、三門と海陽の両サイトでII期工事(各2基ずつ)の建設が計画されているほか、中国核能行業協会(CNEA)の趙成昆・専門委員会常務副主任は今年6月、遼寧省の新規サイトである徐大堡においても、これまでの計画どおりAP1000が建設される可能性が高いと述べた。しかし、この数日後にCNNCとロシア国営原子力総合企業のロスアトム社は、徐大堡で計画されている6基のPWRのうち、2基は120万kWのロシア型PWR(VVER)になると発表しており、同サイトでは2つの設計が混在する可能性が生まれている。
 また、中国が知的財産権を保有するAP1000の拡大版「CAP1400」についても、国家核電技術公司(SNPTC)が山東省の栄成石島湾で初号機となる実証炉を建設する計画。現在、原子炉建屋部分でコンクリート打設を行うための、最終承認待ちとなっている。

   (参照資料:CNNC、中国核能行業協会の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月6日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)