英ヒンクリーポイントC計画、原子炉系統部分で最初のコンクリート打設
英国南西部のサマセット州でヒンクリーポイントC原子力発電所(HPC)(160万kWの欧州加圧水型炉×2基)建設計画を進めているEDFエナジー社は12月11日、同国で約20年ぶりの新設原子炉となる1号機の原子炉系統部分で、最初のコンクリート打設を実施したことをSNS上で明らかにした(=写真)。11月23日に原子力規制庁(ONR)が許可を発給したのにともなうもので、2025年の営業運転開始を目指す同炉の建設工事は、今年最後の大きな節目をクリア。これをもって、いよいよメインの工事段階に入るものと見られている。
HPC1号機の建設工事については、2012年にONRが原子力サイト許可(NSL)を発給した後、2017年3月に安全性関係の構造物にコンクリート打設を行う最初の許可を発給。これは、建設工事全体への規制当局の同意を意味しない部分的なものであり、ONRは翌2018年7月、原子炉冷却系統に水を供給するポンプ・ステーションの建設開始に同意している。
原子炉系統部分は原子炉建屋と燃料建屋および4つの電気・保障措置部門用建屋で構成されており、これらは鉄筋コンクリート製の共通基礎スラブ(床板)一枚の上に設置される予定。ONRは11月8日に、十字型になる同スラブへのコンクリート打設実施に合意し、23日付けで許可を発給していた。
EDFエナジー社の発表によると、作業チームは総重量4,500トンになる1号機用ベース・マットの最初の区画に、30時間以上かけてコンクリートを打設。ベース・マットの完成までには、来年さらにコンクリートを打つ必要があると見られているが、高品質のコンクリートと南ウェールズ産の鉄筋により、原子炉や安全系を支える盤石な基盤が形成されるとした。
また、ONRが11月29日にオンライン上で開催したHPC関係のセミナーによると、規制当局は今後、大半の電気機器等の据え付けについて2020年に認可を発給した後、翌2021年に最初の原子炉蒸気供給系(NSSS)についてサイト搬入を許可する予定。2022年は燃料の搬入を承認した上で、2025年には営業運転の開始許可を与えるとしている。
(参照資料:EDFエナジー社とONRの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月11日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)