英国のサイズウェルC発電所建設計画で最終公開協議が開始
英国南東部サフォーク州でサイズウェルC原子力発電所(PWR、163万kW×2基)建設計画を検討中のEDFエナジー社は1月4日、同計画について3回目となる最後の公開協議を3月29日までの12週間にわたって開催すると発表した。
終了後は、最終的に「開発合意書(DCO)」を計画審査庁に申請するため、様々な評価活動や交渉を経た上で申請書の作成にとりかかるとしている。計画審査庁では申請書の審査を担当するとともに、関係する諸団体に対しては意見の提出を要請。担当大臣がDCOの発給について最終判断を下せるよう、勧告を行うことになる。
同計画では、英国唯一の軽水炉であるサイズウェルB原子力発電所(PWR、125万kW)の隣接区域に、フラマトム社製欧州加圧水型炉(EPR)を2基建設する予定。建設プロジェクトについては、2015年10月の合意に基づき中国広核集団有限公司(CGN)が20%を出資することになっている。
また、この計画の実施が決定した場合、EDFエナジー社が英国で20年ぶりの新設計画として建設中のヒンクリーポイントC(HPC)原子力発電所では、EPRを初めて建設する際にかかる経費をこれら2つの計画で共有することが可能。そのため、政府によるHPC発電所の電力買い取り価格は92.5ポンド(約12,800円)/kWhから89.5ポンド(約12,400円)/kWhに引き下げられるとしている。
EDFエナジー社はサイズウェルC計画について、2012年11月から2013年2月まで第1回目の公開協議を実施したほか、2016年11月から2017年2月までの期間には第2回目を開催した。3回目に際して同社は、得られた見解をすべて斟酌すると強調しており、計画の技術面や環境影響面で評価を行うのに合わせて、関係当局その他の機関との交渉を継続。HPC計画からの教訓も考慮した上で、サイズウェルC計画の策定情報をさらに広めていく考えである。
公開協議で同社は、サフォーク州の東部全体で情報公開のための展示会開催を14回計画しており、地元自治体等の質問に答えるためプロジェクト・チームのメンバーが会場で待機する予定。同社はまた、王立都市計画協会(RTPI)が提供する都市計画の相談業務に対し、資金提供を行ったことを明らかにした。RTPIのイングランド支部は公開協議の期間中、それぞれの状況に即した助言や独自の指導を地元教区や町議会等に無料で提供するとしている。
(参照資料:EDFエナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)