仏フラマンビル3号機、規制当局が5月に公表予定の裁定受け完成日程再調整

2019年2月1日

 仏国のフラマンビル原子力発電所で3号機(FL3)(PWR、163万kW)を建設中のフランス電力(EDF)は1月31日、同炉の2次系配管・溶接部で昨年、「品質のバラツキ」が認められたため、仏原子力安全規制当局(ASN)が今年5月に、EDFの溶接部検証プログラムで溶接部の補修を行う必要性に関して、見解を公表予定であることを明らかにした。
 これは、ASNのB.ドロセズック委員長が1月29日、原子力安全に関する新年の記者会見で表明したもの。同委員長は、「原子炉建屋内の溶接部8か所で取り替えが必要と判明した場合、同炉で現在の完成日程を守ることは難しくなるだろう」と指摘した。EDFとしては、ASNが同プログラムで審査するファイルや基準など、必要情報はすべて提供する方針だが、ASNによる裁定の公表後に、改めて完成日程や建設コストの詳細な最新情報を発表するとしている。

 FL3は仏国で初めて建設されるフラマトム社製・欧州加圧水型炉(EPR)であり、溶接部の欠陥についてEDFは2018年4月、最初の総合点検で主蒸気配管を含む2次系配管部分で同年2月から3月にかけて発見したことを発表。同年7月の発表では、150か所の溶接部のうち148か所では追加点検がすでに完了し、残り2か所についても同月末までに追加点検を終える予定だとした。
 その際の説明によると、148か所のうち85か所は規格に適合していたが、33か所で品質上の欠陥が認められたことから補修を行う方針。また、20か所については、欠陥が認められなかったものの、EDFが設計段階で定めた破断防止のための「高品質」要件を満たしていなかったため、溶接部で再加工を実施すると述べていた。

 今年に入ってEDFは、FL3の温態機能試験を2月後半から開始する計画であると1月21日付けで発表。燃料の初装荷を今年の第4四半期に実施するため、EDFチームがパートナー企業と総動員で準備作業を進めており、起動時までの総工費も、昨年7月に改定した109億ユーロ(約1兆3,570億円)から変更のない点を強調していた。

 (参照資料:EDFの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月31日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)