韓国とUAE両国の首脳、バラカ計画以降の協力関係拡大で合意
アラブ首長国連邦(UAE)の国営首長国通信(WAM)は2月27日、アブダビ首長国のムハンマド皇太子兼UAE軍副最高司令官が韓国を公式訪問し、韓国企業がUAEで進めているバラカ原子力発電所(韓国製140万kW級PWR×4基)建設プロジェクト以降も両国が協力関係をさらに深め、第3国においても両国が協力して海外展開の機会を模索することで、韓国の文在寅大統領と合意したことを伝えた(=写真)。同皇太子の韓国訪問は26日と27日の2日間にわたっており、両国間の戦略的対話やハイテク産業、観光事業、スマート農業など、数多くの分野で協定や了解覚書を締結した。文大統領との共同声明によると、両国はともに、両国間の協力を今後さらに深めていく上で、バラカ原子力発電所建設プロジェクトが重要な基盤になると認識。同プロジェクトの完結に向けて、両国が緊密に連携し続けるとしたほか、原子力分野で戦略的連携関係を拡大する重要性についても、両国首脳が認めている事実を強調した。
アブダビ首長国の西部に位置するバラカ原子力発電所では、韓国電力公社(KEPCO)の企業連合が2012年7月に1号機を本格着工。その後は約1年間隔で同型の2~4号機を順次着工しており、昨年3月には1号機の竣工式が現地で開催された。
同発電所で運転・保守を担当するNAWAHエナジー社は、首長国原子力会社(ENEC)とKEPCOの共同出資企業であり、現段階では1号機に燃料を装荷し原子炉を起動するための手続を進めている。しかし、同社は2018年5月、運転員の訓練活動および規制当局からの承認取得には、今しばらく時間が必要と判断。同炉の燃料装荷日程は、2019年末か2020年初頭に延期する方針を公表した。
同発電所ではまた、昨年12月に2号機と3号機の原子炉建屋でコンクリート中に空隙が発見され、ENECは調査を実施するとともに、改修プランを策定。その2週間後に同社は、3号機で冷態耐圧試験が成功裏に完了したことを明らかにしている。
(参照資料:WAM、ENECの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの2月27日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)