トルコのアックユ1号機建設工事でベースマットが完成
トルコ初の原子力発電所となるアックユ発電所建設計画(120万kW級のロシア型PWR×4基)を請け負ったロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は3月14日、同1号機の原子炉建屋にベースマット(基礎スラブ)を築く作業が8日付けで完了したと発表した(=写真)。同炉の建設工事は2018年4月に本格的に始まっており、2023年の運転開始を予定。これに続く2号機の部分的建設許可(LWP)も、ロスアトム社傘下のアックユ原子力発電会社(ANPP)が2018年11月に取得した。サイトでのこのような活動に加え、ANPP社はさらに3号機の建設許可を取得するため、規制当局のトルコ原子力庁(TAEK)に提出する申請文書の準備を進めている。
発表によると、アックユ1号機では1万7千トン以上の高流動コンクリートを原子炉建屋のベースマット部分に使用しており、採用された技術オプションすべてが世界中の原子力コミュニティや国内外の近代的な安全要件、および国際原子力機関(IAEA)の安全基準を満たしている。
コンクリート打設のように重要なプロセスの完了は、建設サイトにおける今年の主要な作業の1つであり、今後は次の段階である同建屋の外壁と内壁に作業が進展。補助建屋および緊急時用制御室のある建屋でも、コンクリート基盤関係の作業を実施中だとしている。
2号機については現在、LWPの下で作業文書段階のエンジニアリング調査が行われているが、これは同発電所で建設予定の4基すべての設備に関係するもの。ただし、原子炉系統の安全性に関わる部分については除外されている。
ANPP社としては、今年中に2号機の全面的な建設許可をTAEKから取得できると予想しており、その後は1号機で実施した同様の作業の教訓に基づき、ベースマットへのコンクリート打設を行う。今年の作業の中でも重要なのは、サイトの地盤関係で準備を整えることであり、現時点では全体の7割程度で建設工事を始められる状態にある。残りの3割については年末までに作業を終えるとしている。
(参照資料:ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、WNAの3月14日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)