ロシアのロスアトム社、今年12月に中国・田湾発電所で7号機を本格着工へ
ロシア国営原子力総合企業ロスアトム社のA.リハチョフ総裁(=写真)は1月20日、中国・江蘇省で同社が建設した田湾原子力発電所において、今年12月にも7号機を当初予定より5か月前倒しで本格着工することを目指すと表明した。同炉から5か月~10か月遅れで着工する8号機とともに、それぞれ2026年と2027年に営業運転を開始すると見られている。 同発電所ではすでに、I期、II期の1~4号機(100万kW級ロシア型PWR)が営業運転中。これに続いて、中国核工業集団公司(CNNC)が仏国の技術をベースに開発した第3世代の100万kW級PWR設計「ACP1000」を採用して、III期の5、6号機が建設されている。
IV期の7、8号機については第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR (VVER)設計を採用することになっており、ロスアトム社とCNNCは2018年6月に枠組契約を締結済み。2019年3月には、両炉の建設に関する一括請負契約が両者間で交わされた。ロスアトム社はこの契約に基づき、2019年7月から両炉の原子炉容器に使用する鍛造品など、長納期品の製造を開始している。
今回の発表は、2018年2月に営業運転を開始した田湾3号機をロシア側から中国側に正式に引き渡すため、同発電所で開催された記念式典の場で明らかにされた。リハチョフ総裁は7、8号機用建設用地の準備が進む同発電所を視察するとともに、中国国家原子能機構(CAEA)の張克儉主任とも会談。7、8号機では、動的と静的両方の安全系やデジタル式計測制御(I&C)系、二重格納容器、コア・キャッチャーなどが装備されると強調した。
(参照資料:ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月20日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)