米TVA 今後の経営方針原子力に比重

2010年9月2日

米国のテネシー峡谷開発公社(TVA)の理事会は8月20日、同社の今後20年間の経営方針となる「将来ビジョン」を採択し、温室効果ガスの排出削減とエネルギー効率改善の観点から、原子力への比重を一層高めていくことを決定した。


同社のT.キルゴア最高経営責任者によると、TVAの基本使命は変わらない一方、時代の経過とともにエネルギー産業界に要求される事項も変化する。一層クリーンなエネルギー社会の実現に向けて米国をリードするTVAとしては、石炭火力への依存を軽減する傍ら、原子力発電の比重を高めて大気の質を改善。エネルギーの効率化と温室効果ガスの削減に努めていくとしている。


こうしたビジョンを実行に導く「総合資源計画」については、9月中に案文を公表し、パブコメに付す計画。来年春には最終決定することになる。


TVA理事会はまた、同じ日に2011会計年度の予算案を承認。ここでは、アラバマ州北部のベルフォンテ原子力発電所サイトに新たな原子炉を建設するオプション維持のための2億4800万ドルを計上した。


1996年に運転開始したワッツバー1号機は米国の原子炉の中では最も新しい

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