フランス電力の会長が交代へ

2014年10月17日

 未確認の報道によると、仏国のF.オランド大統領は15日、フランス電力(EDF)の会長兼CEOとして電機・航空宇宙・軍需事業大手であるタレス・グループのJ−B.レビィ会長兼CEO(57)を指名した。現職のH.プログリオ会長(65)は11月22日の任期切れをもって退任するとみられているが、EDFは16日の理事会で「11月21日に株主総会を開催する」と決定。レビィ氏を含む役員候補の指名について票決を行うと明言している。
 EDFは欧州最大の電気事業者だが、株式の約85%は政府の保有。仏国で稼働する原子炉58基のすべてを操業しているほか、子会社のEDFエナジー社は英国の稼働中原子炉16基のうち15基までを所有するとともに、同国で20数年ぶりの新設計画も進めている。
 プログリオ氏は原子力推進派だったN.サルコジ前大統領の指名により2009年に会長職に就任しており、オランド大統領が公約した「2025年までに原子力発電シェアを現在の75%から50%に削減する」政策には真っ向から反対していた模様。レビィ氏の指名は、この政策を盛り込んだエネルギー移行法案が国民議会で承認された数日後に浮上した。
 レビィ氏は仏国の理工系エリート養成用高等教育機関であるエコール・ポリテクニーク卒業後、通信事業者のフランス・テレコムに入社。2年前にタレスに迎えられる以前はメディア/通信儀業者大手のビベンディで会長兼CEOを務めたが、エネルギー関係事業の直接経験はないと言われている。