サマ・ビルバオ・イ・レオン
2020年10月、世界原子力協会(WNA) 事務局長に就任。
2018年6月から就任直前までは、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)原子力技術開発・経済課の課長を務めていた。NEAでは、技術とイノベーション、経済が交錯する分野で信頼できる研究を加盟国に提供するアナリストチームを指揮し、各国エネルギー政策の意思決定の支援に努めた。2020年1月からは第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)の技術事務局長も務めていた。
2011年からバージニア・コモンウェルス大学(VCU)で機械・原子力工学部の准教授として教鞭をとる一方、原子力工学プログラムのディレクターも務めるなど、新たに期待される原子力工学プログラムの作成・開発に携わる主要人物の一人として活躍した。VCUでは新しい原子力工学プログラムの学術・研究担当責任者として、学生や教員の公募から、カリキュラム開発、認定評価、資金調達、研究連携、産業パートナーシップ、マーケティング、アウトリーチまで幅広く采配を振るった。熱流体力学や熱伝導、混相流、原子炉設計、エネルギー・環境政策、電力生産の経済性等の分野で大学・大学院課程の講義も行っていた。また、ポストドクター、博士課程(PhD)、修士課程(MS)、学部生が活動する研究グループをリードし、複数の研究開発や教育助成(総額400万ドル)での主任研究者も務めた。
2018年5月に同大学を離れた後、原子力発電運転協会(INPO)の全米資格認定会のメンバーとバージニア原子力エネルギーコンソーシアム(VNEC)の理事長を務めた。
2008年からは国際原子力機関(IAEA)で水冷却炉技術開発ユニット技術ヘッドとして、改良型水冷却炉とその関連燃料の開発と短期導入を支援するIAEAの活動を指揮した。
2001年2月から2008年3月まではドミニオン・エナジー社に勤務し、原子力安全分析エンジニアとして炉内熱力学や原子力安全解析における新手法の開発や許可に取り組み、同社の原子力発電所を支えた。
北米若手原子力ネットワーク(NA-YGN)の創設者7人のうちの一人で、1999年の創設当初から2005年5月まで広報議長を務めた。また1995年から米国原子力学会(ANS)の会員として、国内外(国内:VCUの学生部門とバージニア地区部門)で精力的に活動している。原子力のプラス面を社会に広く伝えたとして、その功績に対してANS 2002 広報大賞(Public Communications Award)が与えられた。2007年にはリーダーシップとビジョン、貢献を表彰するNA-YGNメンバーへの最高位の賞であるNA-YGN功労賞(NA-YGN Founder Award)を受賞した。また2007年には米国原子力学会の理事会メンバーに選出、2010年にも再選されている。2011年、ANS Mary Jane Oestmann女性功績賞(ANS Mary Jane Oestmann Women’s Achievement Award)を受賞。2014年、ANSへの変わらぬ貢献が認められ、ANS理事長表彰を受賞。2018年には、W. Reed Johnson賞―ANSバージニア地区貢献部門(W. Reed Johnson Award for Extraordinary Contributions to the Virginia Section of ANS)を受賞した。同氏はスペイン原子力学会(SNE)、米国機械学会(ASME)、米国工学教育学会(ASEE)、婦人技術者学会(SWE)、WiN(Women in Nuclear)のメンバーでもある。
スペイン出身でマドリード工科大学で機械工学の学士号とエネルギー技術の修士号を取得し、米国のウィスコンシン大学マディソン校では原子力工学と工学物理学で修士号と博士号を取得。アベレット大学でMBAを取得している。