会長挨拶

地政学的リスクの顕在化による世界的なエネルギー危機は、我々にエネルギー安全保障の重要性を再認識させるとともに、原子力の活用がエネルギー安全保障において極めて重要であることを明らかにしました。

これまで、我が国の原子力産業界は、福島第一原子力発電所事故の反省と教訓を胸に、安全への不断の努力を積み重ねてきました。今後も、この努力を深化させていくことが、原子力産業界に課せられた使命です。また、エネルギー安全保障のみならず、カーボンニュートラル社会の構築という人類共通の課題を、原子力の力で解決に導くことも、原子力産業界の重要な使命であると考えます。

貿易立国の日本にとっては、国際競争力を損なうことなくカーボンニュートラルを実現することが重要です。資源に恵まれない我が国にとって、準国産エネルギーである原子力の活用は、国際競争力を具備したカーボンニュートラルに向けた現実的なエネルギートランジションに必要不可欠です。

原子力の活用にあたっては、再稼働や新設を着実に進めるとともに、福島第一の廃炉や、核燃料サイクルの早期実現、高レベル放射性廃棄物の最終処分といった取り組みを加速させる必要があります。当協会は、こうした課題に全力で取り組むとともに、発電のみならず、医療、工業、農業など様々な分野における原子力の利用を通じて、原子力の平和利用を促進し、国民の皆様の豊かな生活に貢献してまいります。

                       2023年6月20日
一般社団法人 日本原子力産業協会
会長 三村 明夫

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