第2回原子力サプライチェーンシンポジウムの開催(2024.3.14)

2024年3月22日

 当協会は2024年3月14日、経済産業省と共催で、国内原子力企業による海外展開や事業承継・人材育成支援など、原子力サプライチェーンの維持・強化策を議論し、取組を加速するため、昨年に引き続き第2回目となる原子力サプライチェーンシンポジウムを都内で開催し、会場およびオンライン併せて約400名の参加がありました。

 シンポジウムの冒頭では、齋藤健経済産業大臣、ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長および当協会の三村明夫会長はそれぞれ開会挨拶を行いました。

 齋藤経済産業大臣はビデオメッセージにて、「東日本大震災後、原子力発電所新規建設の機会が失われていることから、「次世代にバトンを引き継ぐ時間的猶予は殆ど残されていない」と、技術基盤・人材確保の維持を危惧し、政策支援の多角化を強化していく方針を示しました。

 グロッシーIAEA事務局長は「再生可能エネルギーと原子力が並び、国際的なコンセンサスが得られるようになってきた」と、原子力の役割に期待しました。また、近くベルギーで開催予定の各国首脳が参集する原子力サミットを紹介しました。各国の首脳と公平な資金調達について意欲を示しました。また、IAEAとして「皆様と新しい時代を切り拓いていきたい」とエールを送りました。

 当協会の三村会長は、国内サプライチェーンの技術力を再認識し、「既存炉の最大限の活用にとどまらず、新設炉の建設において大いに力を発揮する」と期待を寄せる一方で、具体的な新規建設計画が停滞していることから、「産業基盤の劣化が進行する」と、現状を危惧しました。今回のシンポジウムでは合同企業説明会が併催されることに触れ、「これからの原子力産業界を背負っていく可能性のある学生の皆さんに世界の原子力利用推進の熱量を感じ取ってもらいたい」と期待を述べました。

 「原子力産業の未来」と題するセッションでは、山口彰原子力安全研究協会理事が講演を行ったほか、三菱重工業より革新炉開発の取組について発表しました。サプライチェーン強化の取組に関する個別テーマについては、人材育成・確保、海外プロジェクトへの参画、供給途絶対策に関する3つのセッションが設けられ、資源エネルギー庁、文部科学省、日本電機工業会、原子炉メーカー、バルブメーカー、日本の技術力に期待を寄せる海外企業および当協会が登壇し、議論しました。

 なお、2回目の開催となる今回のシンポジウムでは、原子力関連人材確保の観点から、学生に対して原子力業界を知ってもらう機会として19社・機関が出展する原子力サプライヤ合同企業説明会を併催しました。当協会も、合同企業説明会に出展し、原子力業界では幅広い人材が求められていることを紹介しました。

グロッシーIAEA事務局長挨拶
三村原産協会会長挨拶
パネルセッション
原子力サプライヤ合同企業説明会
原子力サプライヤ合同企業説明会(当協会)

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)