英国のエネルギー安全保障戦略について
英国政府は4月7日、政策文書「英国のエネルギー安全保障戦略」(Policy Paper British Energy Security Strategy)を発表しました。
同戦略は、B. ジョンソン首相の「グリーン産業革命のための10ポイント計画」と「ネットゼロ戦略」に基づいており、パンデミック後の需要の急増とロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた世界的なエネルギー価格の上昇に照らして策定されました。ここでは、英国のエネルギー自立を一層高めるために、国内のエネルギー開発をいかに加速するかについて述べられています。
政策文書はA4版で計33頁で、首相による序文、前書き、光熱費への即時支援、エネルギー効率、石油・ガス、再生可能エネルギー(洋上・陸上風力、太陽光他)、原子力、水素、電力ネットワーク・貯蔵・柔軟性、国際関係、エネルギー計画の目標と主な対策、からなっています。
原子力に関する説明の主なポイントは、次のとおりです。
・2050年までに原子力規模を最大2,400万kWまで拡大する(電力需要の25%を占める)。
・現在の議会会期末までに1つのプロジェクトの最終投資決定(FID)を行う。
・次期議会会期中に2つのプロジェクトをFIDに持ち込む(これにはSMRも含まれる)。
・2030年までに最大8基の建設が進展。
・未来原子力実現基金(Future Nuclear Enabling Fund)を4月に立ち上げる。
・原子力プロジェクト推進支援を行う大英原子力推進機構(Great Britain Nuclear Vehicle)を今年設立する、など。
報告書の抄訳は、こちらからご覧いただけます。
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