第24回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における新井理事長発言内容
一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗
2022年2月24日開催の第24回原子力小委員会において、今後の原子力政策について、新井理事長より専門委員として以下の発言を行いました。
- 1点目として、第6次エネルギー基本計画では、「安価で安定したエネルギー供給を確保しつつ、2050年カーボンニュートラルを実現するために、あらゆる選択肢を追求する」と示され、原子力については、「必要な規模を持続的に活用していく」とされました。
既に確立された技術による脱炭素電源である原子力は、依存度を低減する事無く最大限活用していくべきと考えますので、この主旨で、「必要な規模を持続的に活用していく」ための実質的な方針が示される事を期待します。 - 2点目として、2050年に向けて原子力を「持続的に活用していく」ためには、新増設・リプレースが不可欠です。
その際、大前提となる人材・技術・産業基盤の維持確保の為にも、出来るだけ早期の再稼働はもとより、将来に向けた新増設・リプレースの明確な見通しが必要と考えます。
そして、第6次エネ基では、高速炉、小型モジュール炉、高温ガス炉等の革新的技術の研究開発を進める事が示され、これらはもちろん重要ですが、現実的な新増設・リプレースを想定するに当たっては、時間軸も踏まえ、確立された技術により、より安全性を高めた従来大型炉も含めて選択肢を持つべきであろうと考えます。 - 3点目として、第6次エネ基では、原子力事業について安定的な事業環境の確立に取り組むことが示されました。
電力自由化の中で、脱炭素に大きく貢献するものの初期投資も大きい原子力に対して、経営の予見性を高めるような事業環境整備が必要ではないかと考えます。
<参考>
・第24回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(経済産業省HP)
・総合エネ調原子力小委が約1年ぶりに開催、新エネ基を踏まえた議論開始(原子力産業新聞)
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