IEA(国際エネルギー機関)特別報告書「原子力発電と確実なエネルギー移行ー今日の課題から明日のクリーンエネルギーシステムへ」概要紹介
IEA(国際エネルギー機関)は6月30日、特別報告書「原子力発電と確実なエネルギー移行:今日の課題から明日のクリーンエネルギーシステムへ(Nuclear Power and Secure Energy Transitions: From today’s challenges to tomorrow’s clean energy systems)を発表しました(2022年7月7日原子力産業新聞にて既報)。報告書によると、IEAが提唱する2050年実質ゼロ排出量シナリオでは、2020~2050年の間に原子力発電が倍増し、原子力を活用しようとするすべての国で新規建設が必要となるとしています。さらに、各国が再生可能エネルギーを主体とするエネルギーシステムへの確実な移行を進めるためには、原子力発電は大きな役割を果たし得るとしたうえで、その持続可能かつクリーンなエネルギーシステムの構築には、原子力なしではより困難に、よりリスクが高く、より高価になると指摘しています。
今回の報告書について、IEAのF. ビロル事務局長は「エネルギーを取り巻く近年の世界情勢や地球温暖化防止への意欲的な取組などから、原子力が復活するまたとないチャンスが訪れたと確信している」としながらも、「復活するかどうかは、今後の政府と産業界の対応にかかっている」とも述べています。具体的な課題として、➀原子力発電所の安全で持続可能な運転を確保するための強固な政策、②新技術などの必要な投資を支援する政策、③新規建設の工期延長とコスト増への早急な対応――などを挙げています。
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