令和5年度国際原子力人材育成イニシアティブ事業「高専キャリアセミナー・フォーラム」の開催に協力 (報告)
日本原子力産業協会は、2023年12月にいわき市にて開催された「高専キャリアセミナー・フォーラム」の開催に協力しました。このイベントは、原子力人材育成・確保を目的に、国立高等専門学校機構(高専機構)が令和5年度国際原子力人材育成イニシアティブ事業の一環として実施したもので、二日間の日程で行われ、一日目に、原子力産業の企業や組織、それぞれの仕事内容ややりがい等を紹介する「キャリアセミナー」、二日目にはフォーラムとして、原子力関係の専門家による講演、今年度事業の概要報告、次年度の事業についての検討、また、全国から集まった高専生のポスター発表が行われました。年に一度、全国の高専教員と学生が一同に会する機会として、今年度は教員約20名、学生約40名が集まり交流を深めました。
初日のキャリアセミナーでは、参加した原産協会会員企業・機関6社・1機関が、ミニブースを設置し、30分を1クールとし、参加学生に各社の事業紹介等を行いました。それぞれのブースで、どの学生も非常に熱心に企業の担当者の話に耳を傾けていたのが印象的でした。
二日目のフォーラムでは、事業の幹事校である福島工業高等専門学校(福島高専) 田口重憲校長より、「本事業は今年度から福島が拠点となった。舞鶴高専、富山高専の協力を得て事業を進めている。本事業で実施する実習等には全国の多くの高専生が参加してくれた。学生の皆さんが原子力に興味を持ってくれたら、また、この機会が自らの進路についての有効な知識の提供と感じてくれたらうれしい。」と開会挨拶がありました。
福島高専 鈴木茂和教授による今年度事業の概要報告では、冒頭、本事業が10年以上継続している事、高専機構というスケールメリットを活かして実施している人材育成が高い評価を得ている事、原子力の現場で全国の高専卒生が活躍している事が紹介されました。また、ネットワーク形成を通じた高専における原子力人材育成の高度化については、実習のみならず、教材・カリキュラムの開発・整備、専門領域を強化するための実践的演習プログラムの整備、バーチャル研究室の構築等、多岐にわたる取り組みが紹介されました。
また、原子力関連の専門家の話として、量子科学技術研究開発機構(QST)量子生命・医学部門量子医学研究所 先進核医学基盤研究部 放射性核種製造グループ 永津弘太郎氏より、「加速器を利用した放射性医薬品を開発する仕事」と題した講演があり、放射線の医学利用や放射線業界のキャリアパスの案内があり、高専生に向けて放射性医薬品を作る事に興味を持ってほしい、放射線関連について学んでほしいとのアピールがありました。
ポスター発表では、今年度学生たちが取り組んだ電力実習やポケット線量計の計測等、23件の様々なテーマでの研究が報告されました。原産協会は原子力産業の幅広さ、職種の多さを紹介したポスター掲示、また、遊びながら、エネルギーミックスについて学べるボードゲームの展示を行いました。
原産協会では、今後も本事業に協力し、高専生に、原子力産業の企業・機関の紹介等を実施し、将来的に産業界の人材確保に寄与する活動を実施してまいります。
問い合わせ先:人材育成部 jinzai@jaif.or.jp
キャリアセミナーの様子
ポスター発表の様子
原産協会のブース
以上
お問い合わせ先:人材育成部 TEL:03-6256-9315(直通)