オーストラリア鉱物評議会(MCA)のSMR報告書について -SMRをエネルギーミックスの一部に-
オーストラリアは、これまで伝統的に州法や連邦法に基づき、原子力発電を禁止してきた国です。しかし、近年の地球温暖化問題やエネルギーの安定供給の観点から、原子力発電の役割を再検討しつつあります。オーストラリアは実際、原子力発電を禁止はしているものの、第4 世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)に参加するなど、原子力分野において積極的に活動しています。また、オーストラリアは世界1 のウラン資源国であり、そのウラン生産量は現在世界第3 位で、ほぼ全量を原子力発電国に輸出しています。
こうしたなか、オーストラリアの鉱物資源の探鉱・採掘、製錬関係企業等を代表するオーストラリア鉱物評議会(Minerals Council of Australia, MCA)は、従来から原子力発電の有効利用を主張してきましたが、2021 年10 月6 日、報告書「オーストラリアにおける小型モジュール炉(Small
Modular Reactors in the Australian Context)」を発表し、SMRの利用を真剣に検討するよう訴えています。報告書は、オーストラリアで約2,000 万kW の高経年化した石炭火力の退役が近づく中で、そのリプレースとして、CO2を排出しないSMR の可能性を強調しています。
このオーストラリアの動きは、SMR の開発・導入の流れが世界的に拡大していることの現れでもあります。さらには2021年9月に発表された米英豪による「AUKUS(オーカス)」創設に伴うオーストラリアの原子力潜水艦導入など新たな動きが見られることから、参考までに報告書のプレスリリースと報告者の概要を紹介します。
概要紹介はこちらからご覧いただけます。
以 上
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