第3回原子力サプライチェーンシンポジウムについて(2025.3.10)

2025年3月26日

2025年3月10日、経済産業省の主催の第3回原子力サプライチェーンシンポジウムに、当協会も参加、共催いたしました。

本シンポジウムは、原子力利用の安全性・信頼性を支えている原子力産業・サプライチェーンの維持・強化に関する官民の取組みを議論する場として、一昨年、昨年に続き、今回が第3回目となります。当日は、会場およびオンライン合わせて約500名の参加を得ました。

開会冒頭、武藤経済産業大臣は、ビデオメッセージを通じ、令和7年度政府予算案において、新たにGX移行債の財源も活用すること、次世代革新炉の開発・設置に向けたサプライチェーン支援事業を拡充すること、新たなエネルギー基本計画のもと原子力政策を全力で前に進めていくことを強調、原子力サプライチェーンの維持・強化に向けた政府の取り組み方針を示しました。

続いて、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は、基調講演の中で、サプライチェーンは原子力産業の基盤であり、その基盤の劣化による将来的な建設期間の長期化やコスト増加の回避が課題であること、革新軽水炉、小型軽水炉に係わる技術開発・サプライチェーンの構築を図っていくとの所信を述べました。

続く、「原子力産業の現在と未来」と題するセッションでは、まず、斉藤拓巳 革新炉ワーキンググループ 座長/東京大学 教授から、持続的原子力利用の展望とサプライチェーンと人材確保の課題を指摘し、続いて佐々木敏春 電気事業連合会副会長は、技能職確保、製造中止品への対処をはじめ事業者の取組みを紹介しました。また、サマ・ビルバオ・イ・レオン 世界原子力協会(WNA)事務局長は、原子力3倍化宣言に関する日本への期待を述べました。

その後の2つのセッションでは、サプライチェーン強化の個別テーマとして、次世代炉の開発・建設に向けた取組、原子力人材の確保・育成の取組等について、資源エネルギー庁、文部科学省、電力事業者、プラントメーカー、メーカ、民間研究機関および当協会が参加し、次世代革新炉の開発・建設に向けた取組供給途絶対策、国際連携ならびに原子力人材の確保・育成、ものづくり人材育成事業などを議論しました。

さらに、今回は、サブ会場にNSCP参加企業 約20社の事業領域、製品・サービス等を紹介するポスターセッションも併設され、個別展示の前に大勢が集まり盛会となりました。

シンポジウムは、産官学の強い連携のもと、人材確保と育成、サプライチェーンの維持強化の取り組みが一層推進されることを確認して閉会しました。

お問い合わせ先:企画部 TEL:03-6256-9316(直通)