「GX実現に向けた基本方針」の閣議決定にあたって

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

2月10日、「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定された。エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXに向けた脱炭素の取組として、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源として、再生可能エネルギーとともに原子力を最大限活用する方針が示されたことは大変意義深い。

原子力は、「CO2 を排出せず、出力が安定的であり自律性が高いという特徴を有する」として、安定供給とカーボンニュートラルの実現の両立に向け、安全性を最優先として再稼働を進めることとされた。さらに、厳格な安全審査を前提に、40年プラス20年の運転期間制限を設けた上で、一定の停止期間に限り追加的な延長を認めることが示された。

また、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む方針が示されたことは、安定供給と脱炭素によるGX推進に大変重要である。

わが国のエネルギー安全保障および電力の安定供給確保、2050年カーボンニュートラルの目標の達成にはあらゆる選択肢の確保が必要である。

原子力産業界は、GX推進に向けて原子力を最大限活用していくため、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を生かし、たゆまぬ安全性向上に努め、安定運転の実績を積み重ね、国民の皆さまに信頼いただけるよう引き続き取り組んでまいる所存である。

                                           以上

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