東京都市大学原子力研究所で中高生対象見学会(「理工チャレンジ ~夏のリコチャレ2023~」)を開催 (報告)

2023年9月4日

日本原子力産業協会は、東京都市大学(以下、都市大)の原子力研究所(神奈川県川崎市)と協働し、8月22日(火)に「東京都市大学実験室見学会」を開催しました。このイベントは、中高生を主対象に、夏休み期間中に理工系人材を増やす事を目的とした内閣府・文部科学省・経団連共催の取組である「理工チャレンジ ~夏のリコチャレ~2023」のプログラムの一つとして、原子力産業へ興味を持ってもらう事を狙い都市大原子力研究所にて開催しました。

イベントは、「座学」(原子力発電および放射線の基礎知識)、「見学」(原子炉室およびタンデム加速器見学、霧箱観察)、「原子力発電ボードゲーム大会」、「原子力・放射線分野のお仕事紹介」の4部構成で実施しました。

第一部の座学では、都市大・原子力安全工学科 羽倉准教授より、原子力発電の仕組みと特徴、福島第一原子力発電所の事故とその後の対策についての講義、また、国内の大学に設置された研究用原子炉の紹介がありました。特に、都市大原子力研究所に設置され、現在は廃止措置段階にある研究炉「武蔵工大炉」※1について、原子力の有効利用のための基礎研究や教育訓練等、重要な役割を担ってきた事が紹介されました。

第二部の見学では、原子炉室やタンデム加速器の見学、原子炉運転シミュレータのデモ、霧箱実験での放射線の飛跡観察など、普段見る事が出来ない多くのプログラムを参加者に体験していただきました。

続く第三部では、都市大の学生も加わり、4チームに分かれて原子力発電ボードゲーム(当協会製作/非売品)大会を実施し、楽しみながら原子力発電の安全対策について学び、最後に原産協会より原子力関連の仕事は発電のみならず、幅広いフィールドがある事を紹介しました。

当日は、中学生、高校生、保護者の計12名の男女の参加し、「放射線が可視化できる事に驚いた」、「研究炉を廃炉するにあたっての難しさや制御の安全性などが知れておもしろかった」「原子力発電ボードゲームが面白かった」などの感想が聞かれました。

原産協会では、今後も中高生の皆さんが、原子力産業分野に興味・関心を持ち、将来の自分をしっかりイメージして、原子力を含む理工系への進路選択を応援していきたいと考えています。学生と会員企業・機関の橋渡し役として、「理工チャレンジ~夏のリコチャレ」への参加や、原子力人材育成ネットワーク・初等中等教育分科会での活動、関連大学、会員企業・機関の紹介等を実施し、将来的に産業界の人材確保に寄与する活動を実施してまいります。

※1:1960年、当時の武蔵工業大学に原子力研究所を開所、研究炉「武蔵工大炉」が設置され1963年初臨界、2004年廃止措置を決定。2009年に武蔵工業大学と東横学園女子短期大学が統合し「東京都市大学」に校名変更。

問い合わせ先:人材育成部 jinzai@jaif.or.jp

座学で学ぶ                      原子炉室見学の様子

原子炉運転シミュレータのデモ              タンデム加速器の見学の様子 

霧箱で放射線の飛跡を観察する様子            原子力発電ボードゲーム大会

以上

お問い合わせ先:人材育成部 TEL:03-6256-9315(直通)