「原子力産業界はウクライナにおける原子力施設及び職員の安全とセキュリティを確保するためのIAEAの努力を支援する用意がある」―世界の原子力産業界団体が声明を公表

一般社団法人日本原子力産業協会

日本原子力産業協会は、ウクライナにおける原子力施設及び職員の安全とセキュリティを確保するための国際原子力機関(IAEA)の取り組みについて、カナダ原子力協会、FORATOM(欧州原子力産業協会)、米原子力エネルギー協会、英国原子力産業協会、世界原子力協会、世界原子力輸送協会と声明を公表しました。

声明本文

The nuclear industry stands ready to support the IAEA’s efforts to ensure the safety and security of nuclear facilities and staff in Ukraine


声明仮訳

原子力産業界はウクライナにおける原子力施設及び職員の安全とセキュリティを確保するためのIAEAの努力を支援する用意がある。

(2022年3月11日)

この声明は、カナダ原子力協会、FORATOM(欧州原子力産業協会)、日本原子力産業協会、米原子力エネルギー協会、英国原子力産業協会、世界原子力協会、世界原子力輸送協会が共同で公表したものである

我々は、昨日トルコのアンタルヤにおいて、ウクライナのクレバ外務大臣及びロシアのラブロフ外務大臣との間で、ウクライナにおける原子力施設の安全性を確保するための枠組の設立に向けた協議を立ち上げたグロッシー国際原子力機関事務局長の努力を賞賛し支持する。

我々は、全ての当事者に対し、この枠組の実施のための具体的な道筋を付け、原子力施設に対する更なる軍事攻撃が行われないことを確保するため、引き続きこのイニシアティブへの建設的な参加を求める。

チェルノブイリ及びザポロジェ原子力発電所で働く職員の健康と安心を直ちに確保することが特に重要である。このような非常に困難な状況下での現場の職員の献身と立派なプロ意識を称賛する。

我々は、 IAEAの枠組の7つの柱を全面的に支持し、グロッシー事務局長及びウクライナの仲間に対する助力となり得るいかなる支援も提供する用意がある。

IAEA枠組の7つの柱は以下のとおり:

1. 原子炉、核燃料用プール、放射性廃棄物保管施設等の施設の物理的な健全性が維持されること。

2. すべての原子力安全・セキュリティに関わるシステムと設備が、常に完全に機能すること。

3. 運転員は原子力安全・セキュリティ上の義務を果たし、不当な圧力から解放された意思決定ができる能力を有していること。

4. すべての原子力サイトで、外部電源(送電網)からの電力が確実に供給されること。

5. 原子力サイトへ、またはサイトから、途切れなく物流サプライチェーンと輸送が行われること。

6. オンサイトおよびオフサイトでの効果的な放射線監視システムと緊急時対応計画と対策が存在すること。

7. 規制当局などと信頼できるコミュニケーションが行われること。

この声明を発行している団体の詳細は以下のウェブサイト参照:
カナダ原子力協会
欧州原子力産業協会
日本原子力産業協会
米原子力エネルギー協会
英国原子力産業協会
世界原子力協会
世界原子力輸送協会

お問い合わせ先:企画部 TEL:03-6256-9316(直通)