ウクライナの原子力発電所の状況 #33
◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第111号 (現地時間2022年10月4日)[仮訳]
IAEAのグロッシー事務局長は昨日、ウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)のイホル・ムラショフ所長が無事に家族のもとに戻ったことを確認し、ムラショフ所長の解放を歓迎した。
土曜日(10/1)にムラショフ氏の拘束を知らされたグロッシー事務局長は、氏の解放に向け、あらゆる関係当局と継続的に連絡を取り続けていた。
土曜日(10/1)に報道されたように、ZNPPの所長はプラントの原子力安全とセキュリティを確保する責任を負っており、このような形で彼が不在になることは、プラントの安全性とセキュリティを確保するうえでの意思決定に即座に深刻な影響を与えた。
IAEAは、ムラショフ氏は現在、家族とともにウクライナの支配地域におり、ZNPPでの職務を今後継続することはないとみている。後任はまだ決まっていない。
ZNPPに駐在しているIAEA専門家によると、9月20日の砲撃で損傷した5、6号機周辺のスプレーポンド(発電所の熱除去システムの一部)の修復作業が本日完了したとのこと。10月1日(土)以降、ZNPP周辺での砲撃は報告されていない。
グロッシー事務局長は、今週末にキエフ、そしてモスクワへ移動し、ZNPP周辺の原子力安全/セキュリティ保護エリアの設定合意と早急な実施に向け、協議を継続する予定。
ザポリージャの原子力安全、セキュリティ、保障措置の現況
―IAEA事務局長による第2回サマリーレポート(2022年9月6日発表)から抜粋―
※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語および表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)
※ロシア軍によるチョルノービリ原子力発電所の占拠期間:2022年2月24日~2022年3月31日
ロシア軍によるザポリージャ原子力発電所の占拠期間:2022年3月4日~
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