ウクライナの原子力発電所の状況 #162
◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第246号(現地時間2024年8月23日)[仮訳]
ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長は本日、ウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)において22日、唯一残った予備送電線が切断され、再び単一の電源に依存する危うい状況になったことを明らかにした。
ザポリージャ支援/調査ミッション(ISAMZ)は、ZNPPから、330kV予備送電線であるフェロスプラヴナ1が、22日16時頃にショートにより切断されたと報告を受けた。ZNPPは、送電線のメンテナンス後、本日23日15時30分に再接続したことを確認した。
ISAMZは送電線が復旧したことを確認する一方で、 ZNPPから、ショートの原因や送電線の損傷の可能性は、現時点では不明との報告を受けた。
直近で発生した停電は、ZNPP周辺地域およびそれ以外の地域での軍事活動の報告後に発生した。ISAMZは、過去24時間にわたってZNPP付近での爆発音を確認している。
グロッシー事務局長は、「ヨーロッパ最大の原子力発電所(ZNPP)が、原子力安全とセキュリティ機能を維持するために、外部電源1つだけに頼らざるを得なくなるという事態は、ZNPPの脆弱性を浮き彫りにしている」と述べ、「これは持続可能な状況ではなく、ZNPPを保護するための5つの具体的原則を遵守すべく、取り組みを強化しなければならない」と続けた。
停電中、ZNPPは唯一残る750kVドニプロフスカ主送電線に接続されていた。軍事紛争前のZNPPでは、750kV送電線4系統と330 kV送電線6系統が利用できた。
※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語および表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)
※ロシア軍によるチョルノービリ原子力発電所の占拠期間:2022年2月24日~2022年3月31日
ロシア軍によるザポリージャ原子力発電所の占拠期間:2022年3月4日~
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