ウクライナの原子力発電所の状況 #185
◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第269号(現地時間2024年1月5日)[仮訳]
IAEAのスタッフが1月5日にウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)付近で大きな爆発音を聞いたとの報告を受け、ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長は、「ZNPPの訓練センターに対するドローン攻撃の報告と一致しており、欧州最大の原子力発電所であるZNPPの原子力安全に対する新たな脅威である」と述べた。
ZNPPに駐留するIAEAのザポリージャ支援/調査ミッション(ISAMZ)チームは、1月5日12時45分頃と15時45分頃、サイト外で2回の大きな爆発音を耳にしたと報告した。現時点では、IAEAはこの爆発音によるZNPPへの影響は確認していない。ISAMZチームはまた、サイトから複数回機関銃の発砲音も耳にしたことを報告した。
IAEAは、ZNPPのサイト境界のすぐ外にある訓練センターが1月5日、ドローンによる攻撃を受けたとの報告を確認している。報告によると、死傷者はおらず、ZNPPの設備にも影響はなかった。
ISAMZチームは、ZNPPからさまざまな距離で複数の爆発が起きたことも踏まえ、至近24時間ZNPP付近での軍事活動が激化していると報告した。グロッシー事務局長は「原子力発電所への攻撃は、いかなるものであっても絶対に容認できない」と述べ、「ZNPPでの軍事活動の激化を踏まえ、私は改めて、ZNPPの安全に対する危険を回避するために最大限の自制を求め、また、国連安全保障理事会でIAEAが定めた、ZNPP保護のために制定された、5つの具体的原則と、IAEAが確立した、原子力安全とセキュリティ維持に不可欠な7つの柱を厳守するよう求める」と強く訴えた。
※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語および表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)
※ロシア軍によるチョルノービリ原子力発電所の占拠期間:2022年2月24日~2022年3月31日
ロシア軍によるザポリージャ原子力発電所の占拠期間:2022年3月4日~
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