ウクライナの原子力発電所の状況 #199

◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第283号(現地時間2025年3月28日)[仮訳]
ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長は、ウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)に駐在するIAEA専門家チームが28日、ZNPPのディーゼル燃料タンクを視察したが、損傷や流出の痕跡は見られなかったことを明らかにした。
IAEA専門家チームは今週、ディーゼル燃料の大量漏洩に関する未確認報告を受けて、燃料タンクへの立ち入りを要請し、現地の状況を直接評価した。
IAEA専門家チームは、ZNPPのサイト外の燃料タンク設置エリアを視察した際、燃料タンクの貯蔵量は正常で、流出の痕跡はなく、修理作業が行われている形跡もないと報告した。
ZNPPの3つのディーゼル燃料タンクの状態は、原子力安全とセキュリティにとって重要である。既に軍事紛争中に8回も発生している、外部電源喪失の際、ZNPPはディーゼル非常用発電機からの電力供給に頼ることになるためだ。ZNPPは現在6基の原子炉冷却とその他の重要な安全に関する機能を果たすためにも電力を必要とする。
グロッシー事務局長は「IAEAはZNPPに駐在しているため、燃料タンクについて迅速に調査し、国際社会に対して、現況に関する独立した信頼できる情報を提供することができた。これは、ウクライナの原子力関連施設におけるIAEAの存在の重要性を強調する一例である。我々は、原子力事故防止に協力する必要がある限り、それらの施設に駐在し続けるつもりだ」と述べた。
※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語および表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)
※ロシア軍によるチョルノービリ原子力発電所の占拠期間:2022年2月24日~2022年3月31日
ロシア軍によるザポリージャ原子力発電所の占拠期間:2022年3月4日~
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