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ウクライナの原子力発電所の状況 #201


 ◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第285号(現地時間2025年4月10日)[仮訳]

ラファエル・マリアーノ・グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長は本日、ウクライナでの軍事紛争中の原子力事故防止支援に引き続き全力で取り組み、過去1週間で機器の搬入やその他の技術支援を5回実施したことを明らかにした。

3年以上前に紛争が始まって以来、IAEAはウクライナの原子力発電所(NPP)、ウクライナの原子力発電会社であるエネルゴアトム社、同国の規制当局、技術支援機関や研究所、緊急時サービス、放射性物質を取り扱う機関、さらには原子力発電所のスタッフなどに医療を提供する医療センターなど、29の相手方に対し、合計125回の輸送を実施してきた。

「この技術支援は、ウクライナにおける原子力安全とセキュリティの確保に向けたIAEAの総合的な取組みの重要な要素。寛大なドナーの支援に感謝し、我々はウクライナに対し、最も緊急に必要とされる分野を優先しながら、このような重要な支援を引き続き提供していく」とグロッシー事務局長は述べた。

最近、ハリキウ物理技術研究所は施設内の核セキュリティを強化するための機器を、南ウクライナ原子力発電所は運転スタッフの内部被曝を監視するためのホールボディカウンターを、医療、産業、その他の目的のための放射性物質を管理するUSIE Izotop社は放射性物質の安全な取り扱いと輸送を支援するためのフォークリフトを、フメルニツキーとリウネの両原子力発電所はインフルエンザ薬と歯科治療機器をそれぞれ受領した。

これらの調達は、日本、英国、そして欧州連合からの資金提供によって行われた。紛争開始以来、ウクライナにはこれまでに約1,700万ユーロ相当の物資が到着している。IAEAは、調達のためのさらなる支援を準備している。

ウクライナの原子力サイトでは、頻繁な空襲警報と遠くからの爆発音が、原子力安全に対する継続的なリスクを浮き彫りにし続けている。サイトからの情報によると、4月9日夜、南ウクライナ原子力発電所から4㎞以内で8機のドローンの飛行が確認された。

ザポリージャ原子力発電所(ZNPP)では、サイト内に拠点を置くIAEAチームが、原子力安全とセキュリティを監視および評価するために定期的な巡回を継続しており、そのなかには、チームが安全性およびセキュリティ体制を視察した使用済み燃料乾式貯蔵庫、サイト内の放射線モニタリング研究室、サイト内の倉庫などがある。

チームはまた、ZNPPの今後の電気系のメンテナンスや人員レベル、訓練、資格についてもプラント側と協議した。

フメルニツキーおよびリウネの両原子力発電所では、それぞれ1基の原子炉が燃料交換のため停止状態が続いている。4月5日には、リウネの2基がグリッドの制約により一時的に出力を下げざるを得なくなり、脆弱なエネルギーインフラに起因する課題が依然継続していることを浮き彫りにした。また先週、フメルニツキーのIAEAチームが交代した。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-285-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語および表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
 フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
 キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)

※ロシア軍によるチョルノービリ原子力発電所の占拠期間:2022年2月24日~2022年3月31日

 ロシア軍によるザポリージャ原子力発電所の占拠期間:2022年3月4日~

お問い合わせ先:情報・コミュニケーション部 TEL:03-6256-9312(直通)