米国エネルギー省(DOE)原子力エネルギーサプライチェーンの詳細評価 ーポイント紹介
米国エネルギー省(DOE)は2022年2月24日、「強固なクリーンエネルギー移行に向けたサプライチェーン確保のための米国の戦略」を発表しました。この戦略は、米国のサプライチェーンに関する大統領令14017に対応し策定されたもので、サプライチェーンの確保により、米国の経済と製造の活性化を狙った政府によるアプローチの一環です。この包括的な戦略報告書に加え、太陽光から半導体、サイバーセキュリティ、そして原子力に至るまで、エネルギー部門全体にわたる13の特定の技術および横断的なテーマについて詳細なサプライチェーン評価が行われました。
今回発表された原子力サプライチェーンに関する詳細評価報告書によると、原子力拡大に向けた米国が取り組むべき主要な優先事項として、短期的(2020年代半ばまで)には、➀確実な国内HALEU(5~20%に濃縮された高アッセイLEU)供給の確立、②ARDP(先進原子炉実証プログラム)下での革新的な設計の実証、を挙げています。これらは、米国のエネルギー安全保障を強化するとともに、米国の新たな輸出機会を確立し、世界の原子力エネルギー、特に先端技術における米国のリーダーシップを再確認するものとしています。また長期的(2020年代半ば以降)には、➀既存の軽水炉の継続運転と運転認可延長、②新規プラントの建設と運転(退役する石炭ユニットの転換の可能性を含む)、③原子力の電力以外のより広範な適用(熱、水素、アンモニア、合成燃料など)――を展開することを目標としていますが、そのためには、米国が抱えるさまざまな技術的、経済的、計画的な課題を克服する必要があると指摘しています。
報告書のポイント紹介は、こちらからご覧いただけます。
またDOEは今回、詳細報告書と併せて、Nuclear Energy Supply Chain Fact Sheet(A4版、1枚紙裏表)も発表しています。
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