第37回日韓原子力産業セミナー開催報告

当協会と韓国原子力産業協会(KAIF)の共催により、「第37回日韓原子力産業セミナー」が、2025年2月3日(月)~7日(金)の日程で、韓国において3年ぶりに対面開催されました。本年は、1965年の日韓基本条約の調印による二国間の国交正常化から60周年記念の年となり、今回、日韓原子力産業セミナーが、日本の外務省による「日韓国交正常化60周年記念事業」に認定されました。 

2月4日(火)、ソウル市内にて実施された当セミナーは、KAIFと韓国水力・原子力会社(KHNP)があるセントラルタワー内のVision Hallで開催され、日本からは20名、韓国からは約60名が参加しました。開会にあたり、韓国原子力産業協会のNoh副会長および当協会の増井理事長より、開会挨拶および両国における原子力発電の現状と展望についての基調講演が行われました。

増井理事長開会挨拶
セミナー会場の様子

その後の特別セッションでは、東京電力HDより福島第一原子力発電所の廃炉の現状について、KHNPからは韓国における廃炉活動と計画について、それぞれ発表と質疑が行われました。

続く「既存炉の最大限活用」に関するセッションでは、九州電力が川内原子力発電所1・2号機の取り組みを、KHNPが韓国における原子力発電所の継続運転についての発表をしました。また、「新型炉の開発と利用」に関するセッションでは、日立GEがBWRX-300の開発状況について、韓国側がi-SMRの開発の現状と将来展望について紹介しました。

さらに、今回は日本の原子力委員会の岡田委員と、韓国からは、WiN Korea のイ・スッキョン会長が両国の原子力分野におけるジェンダーバランスの向上についての発表があり、初めて両国の女性参加者の交流機会が設けられました。

パネルディスカッション
女性参加者の交流

本セミナーでは、新たな取り組みとして、「日韓企業間のビジネス交流」をプログラムに導入し、セミナーの後半に、日本企業5社が韓国の参加企業に向けてそれぞれ企業紹介を行い、その後、各企業の関心分野に基づき、事前にマッチングされた1対1のB2Bミーティングを実施しました。初めての試みでしたが、多くの参加企業より、高い満足度の評価をいただきました。

日本企業紹介
B2Bミーティング

セミナー終了後2日間にわたり、原子力関連施設の視察を実施しました。1日目は、大田広域市に位置するKHNP中央研究院(CRI)で、CRIにおける様々な研究活動についての紹介を受け、i-SMRシミュレーターセンターを見学しました。そして、韓国原子力研究院(KAERI)にて​、研究原子炉ハナロや放射性廃棄物処理・処分研究のための地下研究所を見学しました。2日目は、蔚山広域市のKHNPセウル原子力発電所2号機を視察しました。

KHNP中央研究院(CRI)
韓国原子力研究院(KAERI)
KAERI 地下処分研究施設
KHNP セウル原子力発電所

今回は厳しい寒さの中での開催となりましたが、このセミナーでの交流を通じて日韓の原子力関係者が親交を深め、今後のビジネス展開に向けた貴重な機会となりました。

以上

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)