第60回IAEA総会への参加(ブース展示およびIAEA幹部との懇談)(2016.9.26~30)
原産協会は、9月26日(月)~30日(金)の期間、オーストリア・ウィーン市のVienna International Center(VIC)で開催された第60回IAEA総会にオブザーバー参加するとともに、政府および民間関係機関と連携協力のもと、日本ブース展示に参加し、わが国の原子力についてアピールを行いました。また同期間中、IAEA幹部との懇談の機会を設け、日本の原子力の状況についての発信に努めました。
日本ブースで原子力の平和利用の追求や安全性向上技術をアピール
今年の展示には、当協会の他、内閣府をはじめ、東芝、日立GEニュークリア・エナジー、三菱重工業、東京電力ホールディングス、量子科学技術研究開発機構(QST)、日本原子力研究開発機構(JAEA)が日本ブースを出展しました。「Life, Safety and Prosperity — Quests for Peaceful Uses of Nuclear Energy through Lessons Learned」をテーマとし、福島第一事故の教訓を踏まえ、原子力の平和利用、安全性向上および研究開発という三つの観点から、原子力に対して日本の積極的な取組姿勢を原子力利用主要国や新規導入国、その他各国政府代表団、IAEA職員・専門家等にアピールしました。映像や画像を通じて展示したほか、これまで模型の展示がなかった日本ブースは、今回QSTより提供された重粒子線がん治療装置(HIMAC)回転ガントリーの模型が今回の特徴となり、多くの来訪者の注目を集めていました。
日本ブースには、5日間で延べ人数合計約720名が来訪。総会に日本政府代表として出席した石原宏高内閣府副大臣ら政府代表団一行や、天野之弥IAEA事務局長もブースを訪れ、福島第一原子力発電所廃止措置の状況や、軽水炉技術、次世代型炉の研究開発、放射線利用技術などについて展示説明を受けました。
ブースでは、政府と連携して、日本のエネルギー政策や福島県の復興状況や日本関連のサイドイベントを紹介する資料が来訪者に配布されるとともに、福島の銘菓も好評を博していました。
高橋理事長、天野IAEA事務局長らと懇談
IAEA総会期間中、高橋理事長は天野事務局長を始めとするIAEA幹部との懇談を行いました。高橋理事長より日本の最近の状況について説明を受け、IAEA幹部からは、日本の再稼働の現状や汚染水問題、信頼回復の状況等に関心が示され、日本に限らず原子力を前に進めていくために、女性と若手の活躍が必要と指摘されました。
中でも天野事務局長からは、日本では再稼働に対して世論がネガティブであるが世界の関心は日本がいつどれだけ再稼働を果たすかに注目し前向きに捉えていると述べられたほか、世界では、医学分野等で放射線利用の有用性への認識が高まっているため、日本でもさらに取り組んでいくことが重要だと発言がありました。
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