第7回日英原子力産業フォーラム概要報告

（一社）日本原子力産業協会　国際部

2023年10月25日(水)、英国ビジネス・通商省及び駐日英国大使館が主催し、当協会の他、英国市場協議会、英国原子力産業協会(NIA)の後援により第7回日英原子力産業フォーラムが駐日英国大使館大使公邸にて開催されました。今回は、英国と日本の関係機関及び企業の関係者を合わせて約100名、前日夕刻のレセプションには約150名が参加しました。

ロングボトム駐日英国大使は、開会挨拶において、「英国と日本の関係は長い歴史を有し、今年5月の日英両首相による「広島アコード」により、強化されたグローバルな戦略的パートナーシップにコミットし、防衛と安全保障、経済発展と安全保障、グローバル課題への取り組みを行うことが合意されました。エネルギー、安全保障、風力、原子力分野での協力をさらに深めることが含まれており、本日は、原子力産業がこれらを既に実現していることをご確認いただきたいと思います。高温ガス炉における日英のパートナーシップや福島第一原子力発電所での技術協力はその一例で、英国と日本は真に卓越したパートナーであり、これからも協力を深めていくことができると確信しております。また、この機会に関係者間の旧交を温め、新たなパートナーシップを構築していただければ幸いです」と述べました。

NIAのグレイトレックス理事長は、ビデオスピーチにより、「日英両国の低炭素で安全かつ信頼できるエネルギー供給を実現するため、SMR、HTGRなどの最新の技術開発動向や、既存原子炉の長期運転や管理、廃止措置のプロジェクト管理等の知識や経験を共有できることを楽しみにしています」とのメッセージを送りました。また、原産協会の新井理事長は、「世界のエネルギー価格が高騰する中、日本の原子力政策では脱炭素への取組みや国際協力が進展しました。本日のフォーラムでは、日英両国の原子力政策の動向や廃止措置、高温ガス炉開発の共同研究、先進原子力技術、福島第一原子力発電所の廃炉など、発表を楽しみにしています」と挨拶を行いました。

今回は、午前中は新規建設と先進原子力技術を、午後は廃止措置と廃棄物管理などをテーマに、日英の最新の原子力政策の動向や、メーカー・研究機関による研究開発の最新情報、原子力関連施設・研究炉の廃止状況、NDA（英国廃止措置局）や電気事業連合会による廃止措置事業のマネジメントの事例などについて発表が行われました。

その他、日・英の原子力関連企業の連携を促進するため、会場内において、英国企業によるパネル展示などが行われ、各社の取組みがPRされた他、今回初となる日本企業と英国企業による個別面談の機会が設けられ、活発な情報・意見交換が行われました。

原子力先進国であり、エネルギー安全保障、カーボンニュートラル、および廃止措置の共通課題に直面している日英両国が互いに学び、協力することの意義は大きく、今回の第7回日英原子力産業フォーラムも双方にとって大変有意義なものとなりました。