第1回国際会議・展示会「ATOMCON 2008」参加訪ロ団の派遣(2008.6.23~7.2)
平成20年7月10日
日本原子力産業協会
国際部
当協会は、ロシアの原子力関係機関と緊密な連携の下、各種協力を実施していますが、このほど、協力協定を有するロシア国営企業「ロスアトム」より、モスクワ市で平成20年6月25日~27日に開催された、第1回国際会議・展示会「ATOMCON2008」(主催:SBCD Expo、後援:ロスアトム他)への招待を受け、当協会の服部理事長を団長とし、メーカー、商社からなる同会議・展示会への参加団を派遣しました。なお、服部理事長は、会議初日の全体会議で、「日本の原子力エネルギー」と題する講演を実施しました。
参加団は、原子力関連機器製造施設や原子力関係機関も訪問し、ロシアの最近の原子力の開発の現状と展望、特に原子力機器製造産業の現状について把握し、同分野での協力の可能性について調査しました。
◆◆◆現地速報◆◆◆
【6月24日 ポドルスク工場を訪問】
参加団一行は、同工場を傘下におくRussian Energy Machinery-building CompanyのBoris Vasiliev社長や、Atomenergomashの幹部らの出迎えを受けた後、工場歴史展示室を見学・視察した。工場歴史展示室では、1919年にレーニンが、この工場で確立される銅溶解技術が革命に貢献するとした宣言書やインドに輸出されたVVERの模型が展示され、この工場の歴史と誇りが感じられた。工場施設内では、高速炉BN-600の熱交換器チューブのグリッドやBN-800のリアクター・ハウジングの製作現場などを見学した。
今後の両国産業界の協力により、エネルギーの安定供給と地球温暖化防止に貢献するための課題克服に関して意見交換が行われた。
最後に、我々は宇宙船地球号の同じ乗組員であるとの言葉を服部団長が訪問記念帳に書き入れ、Vasiliev社長と硬い握手を交わした。
【6月25日-26日 第1回国際会議・展示会「ATOMCON 2008」に参加】
イワノフ副首相の冒頭演説(於 展示会会場)で始まった国際会議の全体会議(6月25日)の第一部で、キリエンコ・国営企業ロスアトム総裁、プリコフスキー連邦環境・技術・原子力規制庁長官に続き、服部拓也 団長・当協会理事長が「日本の原子力エネルギー」と題して講演した。訪ロ団一行は、スパスキー・ロスアトム副総裁と意見交換をするとともに、翌日、6月26日の分科会(原子力開発戦略、原子力発電機器製造、等)にも参加、展示会会場も訪問した。
会場風景
服部団長講演、議長はスパスキー・ロスアトム副総裁
キリエンコ・ロスアトム総裁より説明を受ける
イワノフ副首相(於 展示会会場)
スパスキー・ロスアトム副総裁との意見交換
【6月27日 原子力関係機関を訪問・意見交換】
* トゥベル(燃料製造企業体)
* アトムストロイエクスポルト(ロシア製原子力発電所の輸出・建設会社)
* 無機材料研究所(再処理・廃棄物管理、原子炉構造材料、ジルコニウム合金、燃料・材料研究)
【6月30日 原子力関係機関を訪問・意見交換】
* フローピン ラジウム研究所(核物理、使用済燃料・廃棄物管理、放射線生態学)
【7月1日 イジョーラ工場を訪問】
原子炉容器を製造する同工場の製造施設を訪問するとともに、意見交換を実施した。
浮揚型原子力発電所の原子炉圧力容器製造現場
100万kW級原子力発電所の蒸気発生器内部の
ライニング用の金属リボン製造現場
【7月2日 パワーマシンズ モスクワ事務所を訪問】
全世界のタービンの1割を作るパワーマシンズの増強計画等について聴取、意見交換した。
お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)