韓国原子力産業代表団の来訪(2012.11.7~9)
日韓原子力産業界の交流の一環として、韓国原子力産業会議(KAIF)の組織したミッション(団長:テ・ソンウンKEPCO KPS社長)が11月7~9日に訪日、7日に日本原燃の六ヶ所村施設を、8日には福島第二原子力発電所を訪問、施設を見学するとともに関係者から説明を聞きました。
六ヶ所施設では、まず桑原副社長から施設と事業の概要を説明して頂き、次に酒井常務の案内で再処理施設の中央制御室をガラス越しに見学するとともに、再処理プロセスについて説明を受け、熱心な質疑応答が行われました。
翌8日には、東京電力福島第二原子力発電所を見学しました。まず、小森常務執行役から挨拶を受け、次いで吉沢技術総括部長から、東北地方太平洋沖地震と福島第二原子力発電事故の緊急時対応について説明を受けました。
韓国側からは、「東電社員が、事故に落胆せず、復旧作業に携わっている姿に感銘した。お聞きした話を、韓国の原子力発電所の安全運転の参考としたい」などの感想が出されました。
福島第二原子力発電所の増田所長からは、今回の事故が非常に多くの教訓を残したことを指摘、これらをまとめて、韓国など世界と共有・議論できるものにしたいとの意欲を示し、韓国側からも賛同を受けました。また所長からは「福島第二の従業員700人のうち、半数は地元採用者であり、中には地震で親族を亡くした人間もおり、被災者であるにも拘らず、周囲からは一様に加害者扱いされている」旨、紹介があり、一部の参加者の涙を誘いました。
この後のテクニカルツァーでは、シミュレータによる震度6強(M8)を想定した中央制御室での緊迫した緊急時対応の疑似体験を行なった後、津波被害の跡が生々しい海水熱交換器建屋を始め、格納容器内部に入り圧力容器下部・制御棒駆動装置下の見学も行われました。韓国側からは、「こんな所まで見せてもらえるとは思わなかった」と感嘆の声が聞かれました。
また、ロールスロイスのジェットエンジンを使った新型電源車も紹介されました。
代表団一行は9日、原産協会にて服部理事長以下と会談し、今後の日本のエネルギー・原子力政策の動きや日韓協力等について意見交換を行った後、帰国しました。
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