韓国廃止措置調査団の来訪協力(2016.11.16~19)

韓国原子力産業会議(KAIF)と韓国漢陽大学工学部長キム・ヨンス(Kim Yongsoo)教授が率いる原子炉廃止措置調査団(大学関係者、廃炉関係の企業担当者、技術者等計29名)が11月16日~19日に来日し、茨城県東海村にある日本原子力研究開発機構(JAEA)および日本原子力発電(株)(JAPC)の廃炉関連施設等を訪問しました。

korea_decommission01 韓国の原子力産業界は現在、海外の原子力施設における技術開発に関する動向や直面している原子力発電所の廃止措置・バックエンド分野に関する取組準備を行っており、その一環として、ここ数年日本に廃炉関連の調査団を派遣しています。当協会はカウンターパートであるKAIFの要請を受け、今年で3回目となる受け入れ協力を行いました。

一行は11月17日(木)午前中に、JAEAの核燃料サイクル工学研究所を訪問しました。JAEA国際室山村次長からの機構概要説明の後、各部門の担当者より、廃炉国際共同研究センター、バックエンド研究開発部門、および核燃料サイクル工学研究所の紹介がありました。最後に地層処分基盤研究施設(エントリー)と地層処分放射化学研究施設(クオリティー)を見学しました。午後には、大洗研究開発センターを訪問し、当センターや高速実験炉の概要説明を受けた後、照射燃料集合体試験施設(FMF)および水流動試験室(HTL)を見学しました。一行にとり、JAEAの幅広い研究開発活動を知る機会となりました。

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 11月18日(金)は、午前中にJAPCの東海原子力発電所、午後にJAEAの原子力科学研究所を訪問しました。東海発電所では、米澤廃止措置室長より、東海発電所における廃炉作業の進展現状についての説明が行われた後、熱交換器3・4号機や中央制御室、遠隔装置、クリアランス測定装置を見学しました。現場では、日本初の商業用原子力発電所である東海発電所の廃止措置現場を実際に見学した韓国側参加者からは、廃炉の技術や工程について高い関心が示され、質疑応答も活発に行われました。午後は、JAEAの原子力科学研究所では、東海固体廃棄物廃棄体化施設(TWTF)、再処理特別研究棟および廃棄物埋設施設を見学しました。特に韓国では低レベル放射性廃棄物処分が進められていることから、参加者は数多くの有益な情報を得ることができ、興味深そうな様子でした。

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今回の訪問は訪問先が多くタイトなスケジュールでしたが、施設見学のほか、直接日本側の廃炉関係の担当者と意見交換することができ、参加者全員にとって大変有意義なものとなったと各訪問施設の丁寧な対応に対する深い感謝の意を表して帰国の途につきました。

以 上

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