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ベトナム原子力発電導入計画に対する協力について

平成12年11月27日

ベトナムでは現在、次期国家経済開発5ヵ年計画と各分野の長期計画の策定作業を進めており、本年中にはその骨格を固めるものとみられている。原子力発電についてはベトナム原子力委員会 (VAEC) を中心に、関係者が政府方針の早期決定の働きかけを活発に進めており、マスメディアでも原子力の話題が報じられるようになっている。次期5カ年計画を審議する来年3月の第9回共産党大会 (5年ごとに開催) において、原子力発電の導入計画を明確にし、その後の国会で承認を得る予定とされている。

日本原子力産業会議ではベトナム原子力委員会 (VAEC) との間で、昨年12月、原子力発電に関わる協力覚書を1年間延長、本年3月には両機関間で「原子力発電準備作業への協力実施基本計画」に合意した。そして、日越協力連絡委員会および同幹事会等を設置し、電力会社、メーカー、政府機関の協力のもと、ベトナムでの原子力発電の人材養成と政治的なコンセンサス作りを支援している。今年度は、以下の各分野で協力を実施または計画している。なお、昨年4月以来、VAEC の要請により、同委員会の特別顧問1名を派遣、常駐させている。

研修員受け入れ

  1. 第1次研修員受入 (7月実施:11名)
    1. 人材養成基本計画作成 (3名・2週間)

    2. 政府企画官養成
      -1) 原子力発電の安全性 (2名・1ヶ月)
      -2) 核燃料サイクルと放射性廃棄物管理 (2名・1ヶ月)
      -3) 原子力発電所の運転・保守 (2名・1ヶ月)

    3. 原子力発電所の立地選定 (2名・2週間)

  2. 第2次研修員受入 (10月〜11月実施:12名)

    1. 統括リーダー養成 (1名・6ヶ月)

    2. 放射性廃棄物管理計画 (1名・3ヶ月:原研)

    3. 法整備 (3名・約2週間)

    4. 広報・PA (1名・4週間、2名・3週間)

    5. 基準・規格・品質保証 (QA) (2名・4週間、1名・3週間)

    6. 放射線治療(1名・4週間:放医研)

またこの研修員受入に関連し、訪越ミッションを派遣し、6月に第1次受入研修員との面談、9月に第2次受入研修員との面談および第1次受入研修員の研修結果のレビューを実施した。

訪越原子力協力ミッションの派遣 (12月6日〜9日)

(1) これまでの交流活動全体のレビューと来年の協力計画の検討、(2) ベトナムの原子力発電をめぐる動向と今後の考えなどを把握し、日越協力の進めかたに資するため、今年度3回目のミッションをハノイに派遣する。

要人による原子力施設視察受入

6月に小渕前首相の葬儀に参列のため来日したグエン・マイン・カム副首相一行5名が浜岡原子力発電所を訪問した。さらに、9月には、行政改革問題の調査で来日したグエン・カイン前副首相 (国会議員、共産党中央委員会副議長) 一行7名が東海村の原子力施設 (三菱原子燃料、原研・東海研究所、東海第2原子力発電所) を視察した。

ベトナム政府来日ミッションの受入 (10月22日〜29日:8名・8日間)

本年3月のミッション (団長 ダン・ヒュー共産党中央委員会委員ほか3名) に続いて、ベトナム政府及び共産党の幹部等8名のミッション (団長 グェン・ヴァン・ダン 団長、ベトナム共産党・中央委員会・経済委員会副委員長) が10月22日から29日まで来日し、日本の原子力発電関係施設を視察する目的で来日、柏崎刈羽原子力発電所、美浜発電所、原研・東海研究所、メーカー施設等を訪問した。

専門家の派遣 (11月26日〜12月6日、電力、メーカーの専門家計 5名)

ベトナムでのサイト選定作業を支援するため、今年2回目の専門家ミッションを派遣する。ハノイでの打ち合わせと候補地点を訪問し、調査する。

原子力展示会の開催への協力

ベトナムでは来年3月の共産党大会、4月から5月にかけては国会の会期など重要行事が予定されている。ベトナム原子力委員会では、同委員会の25周年記念をかね、政府、国会関係者を主な対象とした原子力理解促進のための、日越共同による「原子力展示会」(600u) をハノイにおいて4月25日 (水)〜4月29日 (日) まで開催したいとの申し入れがあり、協力方法を検討している。

以上

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