島津製作所蛍光X線分析装置 米FDA電子記録/電子署名規定に対応

2015年7月13日

 島津製作所のエネルギー分散型蛍光X線分析装置のフラッグシップモデル「EDX-7000」および「EDX-8000」が7月6日より、米国食品医薬品局(FDA)の定める電子記録・電子署名規定「FDA 21CFR Part 11」に対応したと発表した。1997年に発効した同規定は、電子記録・電子署名が紙による記録や署名と同等であることを認めるもので、米国でビジネスを行う製薬企業や食品企業、輸出も含めこれらの企業へ製品および原料を供給する企業、これらの企業から分析委託を受けるラボに適用される。
 同社のEDXシリーズは、医薬品の有効成分に含まれる残留金属触媒や有害金属、不純物金属といった残留物の分析を非破壊かつ前処理なしで簡易に行うことができ、全世界で累計6,500台以上の販売実績がある。今後は従来までの分野に加えて製薬業界へも本格展開を図り、同業界で2015年度は2機種計20台、以降年間40台以上の販売を計画中である。
 なお、島津製作所は7月1日、100%出資の米国子会社SHIMADZU SCIENTIFIC INSTRUMENTS,INC.(SSI)の米国メリーランド州の施設内に、新たにSSIのアプリケーション開発部門やソフトウェア開発部門を母体とする組織「SSIイノベーションセンター」の設立を発表。北米での主力製品であるクロマトグラフや質量分析計等を使用して臨床分野や食品の安全、環境・エネルギー分野などに関する共同研究や顧客との連携をさらに推進するとしている。同センターは7月下旬から本格的に稼働を開始し、今後5年間で合計約2千万ドルの研究開発投資を計画している。
 さらに同社は、中国の北京にMS(質量分析)センターの開設を2015年内に予定している。