【速報】川内1号機で重大事故対応訓練開始、更田規制委員会委員長代理「現場の士気確実に上がっている」
九州電力は7月27日、川内原子力発電所1号機の重大事故等対応に関わる現場訓練を開始した。現在、同機は、再起動に向け、原子力規制委員会による使用前検査が進められているところだが、起動前に、重大事故等発生時における現場対応の成立性を確認するため、規制委員会は、事業者が実施する訓練に対し保安検査を行うこととなっている。今回の訓練には、更田豊志規制委員会委員長代理が原子力規制庁の検査官らと現地に訪れた。訓練は、30日まで4日間にわたり行われる予定。
訓練では、格納容器内の圧力が最も高くなる事故事象として、1次冷却材配管の大破断による原子炉の冷却水喪失に加え、全交流動力電源喪失に伴い既設の非常用炉心冷却装置および格納容器スプレー設備が動作せずに、原子炉内の燃料が溶融してしまうケースを想定。電源を必要としない安全設備のみが自動動作する中で、対策要員が電源やポンプおよび空調設備等、可搬型と恒設の重大事故対応設備を組み合わせて対応し、格納容器が冷却・減圧されて破損しないことが要求される。
この一連の訓練の中で、移動式大容量空冷式発電機を起動確認する様子が同日、報道陣に対して初めて公開された(=写真上)。解析上炉心溶融が開始するとされている事故発生から約19分が経過した段階において、電源を無事に回復させて確認の電話を入れるまでの流れがスムーズに行われた。
更田委員長代理は、中央制御室で、運転員の状況判断や電源確保の様子および水素燃焼装置のイグナイタ起動などを確認した。更田委員長代理は視察終了後の記者会見で、「現場の雰囲気が確実に起動に向けて士気が上がってきているのを感じた」との感想を語り、「まだ初日だが、全体的によい訓練ができていると思っている」と述べた(=写真下)。
28日には、屋外で、可搬型ホースの運搬・設置などの訓練が行われることとなっている。