CTBT賢人グループ会合開催「広島宣言」を発出

2015年8月26日

 包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)事務局主催のCTBT賢人グループ会合が8月24日から25日まで、広島市で開催された。2013年8月に発足した賢人グループは、CTBTの早期発効に向け、特に発効要件国の批准に向けた働きかけを実施するために選出された政策や技術面の専門家約20名から成る。同グループは、2013年ニューヨークで第1回会合、2014年ストックホルムで第2回会合、2015年6月には韓国で会合を開催した。今回の会議には、ペリー元米国防長官やブラウン元英国防大臣、阿部原子力委員会委員を含む10名の賢人グループ・メンバーが出席し、CTBTの発効促進に向けた戦略に関する議論を行った。
 オープニング・セッションでは、外務省から中根一幸外務大臣政務官が岸田文雄外務大臣による挨拶を代読し、被爆70年における「核兵器のない世界」に対する日本の誓い、国際情勢を踏まえたCTBT発効への機運の高まり、被爆の実相に触れ伝承していくことへの願いなどを訴えた。また今秋の国連総会第一委員会で日本が新たな核兵器廃絶決議案を提出することを宣言した。
 賢人グループはCTBT発効に向け、批准していない米国・中国・エジプト・イラン・イスラエル、署名していない北朝鮮・インド・パキスタンの8か国に対し、緊急に批准および署名することを強く求めることなどを含む「広島宣言」を発出した。同宣言には、世界の指導者に広島と長崎を訪問してほしいとの要望に留意することなども盛り込まれた。
 8月26日から28日にかけては第25回国連軍縮会議が広島で開催される。また、ニューヨークで9月に行われるCTBT発効促進会議では、日本は共同議長を務める。