福島第一廃止措置の進捗状況、3号機原子炉格納用内部調査に向け準備
東京電力は8月27日、福島第一原子力発電所廃止措置の進捗状況を発表した。福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏プレジデントは、同日の記者会見で冒頭、去る8月8日に発生した死亡事故に関して、亡くなった作業員に対する哀悼の意とともに、これを踏まえ類似災害の防止に努め、「安全を大前提に一歩一歩廃炉作業を進めていく」との決意を述べた。
去る8月2日、全作業を中断し、3号機で使用済み燃料プール内にあった最大のがれきである燃料交換機の撤去が行われたが、その後の水中カメラによる調査で、燃料交換機本体の下に位置していた燃料集合体4体のハンドル部が変形していることが確認されたため、今後、取扱いについて検討するとしている。
また、3号機の原子炉格納用内部調査に向けた準備については、今後の燃料デブリ取り出し時の汚染物質漏えい防止対策検討のため、小型カメラを用いた調査を9月にも実施する。先行する2号機では、格納容器貫通部前に設置された遮へいブロックを、遠隔操作により撤去する作業を行ってきたが、固着して取り除けなかったブロックの早期撤去完了に向け、小型重機を使用した新たな工法の開発を進めているところだ。
労働環境の改善に向けては、8月27日よりアンケートの配布を開始しており、9月中に回収の上、11月までに寄せられた意見を取りまとめる。今回のアンケートでは、適正な労働条件確保のため、賃金に関する問いも設けており、必要に応じ厚生労働省からの指導・助言に資することとしている。