IAEA総会 岡委員長バイ会談 各国とのパートナーシップ確認
【第59回IAEA総会 政府代表・岡原子力委員長と個別の会談】
国際原子力機関(IAEA)の第59回総会に政府代表として出席した岡芳明原子力委員長は、滞在期間中、関係機関の幹部との個別会談に臨んだ。
総会初日の9月14日には、天野之弥IAEA事務局長と会談を行い、岡委員長から、IAEA福島報告書はバランスのとれた内容であり、原子力安全向上と国際社会との共有に努めたいと述べるとともに、IAEAの「平和と発展のための原子力」のイニシアチブを評価。イランの核問題に関しては、IAEAが果たした役割は大きいとし、国際核不拡散強化のために継続性が重要との観点から日本としても今後もIAEAを支持していくことを述べた。
これに対し、天野事務局長からは、福島報告書はバランスを重視してまとめたものである点や、日本のエネルギー・原子力政策にはIAEAとしても関心が高く、今後も注視していることなどが述べられた。
米国とは、エネルギー省(DOE)のクロッツ核セキュリティ担当次官との会談の中で、日米は核不拡散分野の重要なパートナーであると評価するとともに、DOEと文部科学省の協力により、「廃炉国際共同研究センター」において廃炉に関わる共同研究が進められることに期待を表明した。
翌15日には、ヴェルヴェールド仏原子力・代替エネルギー長官との会談に臨んだ。その中で、ヴェルヴェールド長官からは、原子力分野で両国の協力やビジネス連携が進んでいることに対する歓迎が述べられるとともに、フランスの原子力業界再編について紹介。アレバが2つに分かれたが、引き続き日本と緊密に連携し協力していきたいとの期待が表明され、日仏双方ともアレバと三菱重工の進めるアトメアは変わらず重要であることを確認した。
岡委員長からは、日仏は共に同様の燃料サイクル政策を有しており、高速炉、再処理、高レベル廃棄物処理等の分野で協力関係を進めていることが述べられ、高速炉ASTRIDについても日仏が引き続き協力していくことで合意した。