核融合研が高温プラズマ計測用「高速2次元マイクロ波カメラ」開発、航空・船舶の安全航行にも
核融合科学研究所は9月18日、高温プラズマ計測用の「高速2次元マイクロ波カメラ」を世界で初めて開発したと発表した。関西大学、東京農工大学他との研究グループによる成果で、同研究所の大型ヘリカル装置(LHD)に閉じ込められた約1億度Cの超高温プラズマを毎秒100万フレームの高速で撮影することに成功したほか、この技術の応用により、航空機などの濃霧中の安全運航や、地中の金属探索、非破壊検査など、産業分野における活用が期待できるとしている。
研究グループは、電磁波の一種のマイクロ波を利用した計測手法として、高速高感度のイメージセンサーを利用したビデオカメラの開発を行ってきたが、アルミ板を使用して内部構造を工夫することで、これまで課題となっていたセンサー間の相互干渉の問題を解決した。
今後、他産業への応用には高画素センサーの開発が必要だとしているが、マイクロ波は、霧や衣服などを透過することから、本研究成果のマイクロ波カメラを用いて、航空機や船舶の衝突防止レーダーの感度向上、空港の保安検査、地中の金属探索の作業効率向上の他、新しい画像診断技術への発展が期待される。