外務省参与(外務大臣科学技術顧問)に岸輝雄東京大学名誉教授
岸田文雄外務大臣は9月24日、岸輝雄東京大学名誉教授を外務省参与(外務大臣科学技術顧問)に任命し、辞令を交付した。岸参与は高信頼性材料を専門とし、日本材料強度学会会長や新構造材料技術研究組合理事長のほか、2014年からは内閣府プログラムディレクターを務めている。
外務省参与(外務大臣科学技術顧問)の設置については、科学技術外交のあり方に関する有識者懇談会が、外交政策の立案・実施における科学的知見の活用強化を図るため、2015年5月8日に岸田文雄外相へ提出した報告書で提言していた。同参与は、外務大臣の活動を科学技術面でサポートし、各国の科学技術顧問・科学技術分野の関係者との連携強化を図りながら、各種外交政策の企画・立案における科学技術の活用について外務大臣及び関係部局に対し助言を行っていく。さらに今後、外務大臣科学技術顧問を補佐するため、個別分野の有識者等により構成される「科学技術外交アドバイザリーネットワーク(仮称)」を立ち上げる。
岸田大臣は任命式で、2016年に日本がG7議長国となることに触れつつ、グローバル課題に貢献する中で科学技術は重要な切り口になりうるとの期待を述べ、科学技術顧問を支える補佐体制を整備し、内外の人脈やネットワークを拡充した上での助言を求めた。
岸参与は、「科学技術は幅広く、特に、先進国・新興国・途上国といった国や分野ごとの状況を把握することは重要であり、補佐体制や在外公館の協力も得つつ任務に当たりたい」との意気込みを語った。