中村愛媛県知事、林経産相を訪れ伊方発電所に係る国の姿勢を確認

2015年10月15日

 愛媛県の中村時広知事が10月15日、林幹雄経済産業大臣を訪れ、四国電力伊方発電所の安全対策などに係る県からの要望8項目に対する国の姿勢に変わりがないことを確認した。両者の会談の中で、7日の内閣改造に伴い就任した林経産相は「前任の宮沢大臣となんら変わらずしっかりと対応していく」とした上で、要望事項の1つである現地視察を近く行うことを約束した。
 伊方3号機は7月15日に、原子力規制委員会より新規制基準適合性に係る原子炉設置変更許可を取得しているが、中村知事は、福島第一原子力発電所事故の教訓や伊方発電所の立地条件を踏まえ、県独自で四国電力に要請してきたさらなる揺れ対策、電源対策、「愛媛方式」の通報体制について、現地確認状況を説明した。

記者団の取材に応じる中村知事(経産省にて)

記者団の取材に応じる中村知事(経産省にて)

 3号機の再稼働に向けて、知事は、10月2日の現場視察、9日の県議会決定を経て、今後、安全性と必要性に関する国の対応、四国電力の取組姿勢、地元の理解の3つがそろったところで最終判断を行うとしている。会談終了後、記者団の取材に応じた中村知事は、「いずれの判断にしても、県民には賛成、反対、条件付き賛成とか色々な意見がある」などと述べ、判断に至ったプロセスを十分に説明し納得してもらえる必要性を強調した。また、国への要望事項の1つに掲げられた廃炉技術研究については、伊方1号機が2017年に運転開始から40年を迎えるのを節目に、まずは事業者により存廃の方向性が示されることが前提とした上で、引き続き検討していく必要を述べた。