東京電力、作業員死亡事故を受け福島第一の労働災害防止対策を取りまとめ
東京電力は10月14日、福島第一原子力発電所で8月に協力企業作業員の死亡事故が発生したことを受け、労働災害防止対策を取りまとめ、福島労働局に報告を行った。事故は、去る8月8日、福島第一構内の土捨場で、陸側遮水壁工事で使用したバキューム車の清掃を行っていた作業員が、車両後部のタンク蓋に頭部を挟まれ、管理棟救急医療室で応急手当の後、病院へ搬送されたが、間もなく死亡が確認されたというもの。これを受け、同社は、福島労働局より廃炉作業における労働災害防止対策の徹底を要請された。
今回の福島労働局による要請は、災害防止対策の立案・実施に加え、厚生労働省が8月に取りまとめた「東京電力福島第一原子力発電所における安全衛生管理対策のためのガイドライン」に基づき、リスクアセスメント、安全衛生教育、日常的な健康管理について、死亡災害発生を踏まえ留意すべき点を述べている。
これに対し、東京電力が報告を行った労働災害防止対策では、リスクアセスメントの徹底として、TBM-KY法(危険予知活動)の高度化、教育用ビデオの作成、建設機械操作時の合図方法統一、作業員同士の意思疎通改善を図っていくほか、体感型訓練施設を活用した安全衛生教育、産業医科大学の支援による保健指導などを実施することとしている。
東京電力では2月にも、福島第一、第二原子力発電所における作業員死亡事故が相次いで発生したことを受け、厚生労働省と福島労働局に労働災害防止対策を報告している。