奥村組他、最適な輸送計画を提案する「輸送統合管理システム」を開発
奥村組と伊藤忠テクノソリューションズは10月16日、除染で取り除いた土などを保管する土のうを中間貯蔵施設に運搬するに当たり、(1)除染土のうの数量管理および放射線量管理、(2)作業員の被ばく線量管理、(3)最適な輸送計画の提案――に関する情報を一元管理する「輸送統合管理システム」を開発したと発表した。
現在、除染作業で発生した仮置き中の土のうは、広範囲に点在し膨大な数に上っていることから、中間貯蔵施設への運搬は、土のうの数量や放射線量を厳密に管理するとともに、周辺環境に影響が及ばないよう短期間で完了させる必要がある。
このほど開発されたシステムは、膨大な数の除染土のうを効率的に搬出するため、土のうごとに内容物、発生場所、放射線量などの情報を記録したタグを貼付することで、確実なトレーサビリティーを可能としている。また、全作業員の被ばく線量をもれなく常時監視するため、全員にGPS機能付きの線量計を携帯させ、計測値や位置情報、作業時間などのデータをリアルタイムに記録するほか、「混合整数法」と呼ばれる計算手法の導入により、輸送順序や運行ルートを選別することで、適切な輸送計画を提案し工程短縮も図られる。