11月に長崎開催の「パグウォッシュ会議」、プログラム固まる

2015年10月19日

PUGWASHtrimmed 戦争と核兵器の廃絶を目指す世界の科学者集団「パグウォッシュ会議」が、11月1~5日に長崎市で世界大会を開催するのに当たって、日本組織の関係者が10月16日、都内で記者会見を行いプログラム・出席者を発表した。日本では過去に、1995年と2005年に広島で大会が開かれているが、今回、広島・長崎被爆から70年、「パグウォッシュ会議」誕生のきっかけとなった「ラッセル・アインシュタイン宣言」から60年の節目に際して、「原爆の恐怖」を体験した地に世界の科学者が集結し、核兵器の問題や原子力平和利用について語り合い、「長崎宣言」を採択し世界に発信する。
 会見で、同会議組織委員長で長崎大学核兵器廃絶センター長の鈴木達治郎氏は、開会に先立ち、被爆者との対話、長崎平和公園での献花、原爆資料館訪問など、平和を祈念する特別式典を行うこととしており、田上富久・長崎市長、松井一實・広島市長も出席予定だという。主な会場は伊王島で、重要な幾つかのセッションについては公開で行われる。
 大会セッションの中で鈴木氏は特に、「核廃絶への道筋」をテーマとする米国とロシアの討議などについて意義を強調しているほか、会期に先立って行われる若手討論「国際学生ヤングパグウォッシュ」にも期待をかけており、日本パグウォッシュ会議諮問評議会議長で元日本学術会議会長の吉川弘之氏は会見で、大会を通じ被爆経験を次世代に伝えていくことの重要性を訴えた。