規制委員会、「もんじゅ」の保守管理不備で文科省よりヒア

2015年10月21日

 原子力規制委員会は、10月21日の定例会合で、日本原子力研究開発機構「もんじゅ」の保守管理不備を重くとらえ、所管官庁として文部科学省からヒアリングを行った。
 規制委員会は、「もんじゅ」の機器点検時期超過を受け、2012年12月以降2度にわたり、原子力機構に対し保安措置命令を発出し、同機構より報告書を受け取っているが、その後の保安検査において保安規定違反が確認されたほか、2015年9月の保安検査で、多数の機器について重要度分類が適切に設定されていなかったとして、さらに原子炉等規制法に基づく報告徴収を発令するとともに、文科省より直接説明を求めることとした。
 文科省からは、田中正朗・研究開発局長らが出席し、「もんじゅ」の保守管理不備発覚以降に進められた大臣をヘッドとする原子力機構改革本部による検討、電気事業連合会への支援要請、「もんじゅ改革推進本部」の設置、審議官級職員の現地常駐の他、同機構における「もんじゅ」集中改革などの取組について説明した。その中で、「もんじゅ」の保守管理不備については、電力並みの品質保証が根付いておらず、保全計画の内容が不十分だったことが根本原因にあったとの認識を示した上で、一部対策の実施は未だ不十分なものの、「改善は着実に前進している」と改革に対する一定の評価を認めた。
 これに対し、更田豊志委員は、「安全上の問題には待ったはない。基本的なことは速やかになされるべき。手を打っても答えが出ないことが深刻な問題」と悲観的に述べ、田中知委員は、ナトリウム漏えい事故からの20年間を振り返り、高速増殖炉の特性を踏まえ、機構には総合的な組織力や技術力が求められるとした上で、文科省に対し「従来とは異なる適切な対応が必要」などと指摘した。田中俊一委員長は、今後、原子力機構理事長から説明を受けるほか、海外出張で同日会合を欠席した伴信彦委員の帰国後、規制委としての対応を検討するとしている。