文科相、「もんじゅ」の保守管理不備問題に「大変遺憾」

2015年10月23日

MONJU 馳浩文部科学大臣は、10月23日の閣議後記者会見で、日本原子力研究開発機構「もんじゅ」(=写真)の保守管理不備問題で、所管官庁として研究開発局長らが同月21日の原子力規制委員会定例会合で聴取を受けた件について、「大変遺憾」とした上で、今後、同委より指摘された課題に対し、速やかに対応するよう指導していく考えを述べた。
 21日の規制委員会会合で、文科省は、2012年末の「もんじゅ」に係る保守管理不備の発覚以降進められてきた改革の取組について説明し、「改善は着実に前進している」ことを強調したが、委員からは、これまでの保安検査の経緯を振り返り「手を打っても答えが出ないことは深刻な問題」、ナトリウム漏えい事故から20年経過し「満足できる成果が得られていない」といった厳しい意見が相次いだ。
 規制委員会は9月30日に、「もんじゅ」に対する直近の保安検査で、多数の機器について安全機能の重要度分類設定が適切でなかったことを重くとらえ、原子力機構に、原子炉等規制法に基づき、事実関係の報告を求めた。これに対し、原子力機構は10月21日に、報告書を規制委員会に提出しており、これを踏まえ、同委は近く、児玉敏雄理事長より説明を求めることとしている。
 エネルギー基本計画で、「もんじゅ」は、廃棄物の減容・有害度の低減や、核不拡散関連技術の向上のための国際的な研究拠点と位置付けられており、研究成果の取りまとめを目指し、あらゆる面で徹底的な改革を行うことを求めている。