WMO発表、世界の温室効果ガス濃度は観測史上最高

2015年11月10日

 世界気象機関(WMO)が11月9日に発表した温室効果ガス年報によると、世界の主要な温室効果ガスとなる二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)の濃度は増加し続け、2014年の年平均濃度はそれぞれ観測史上最も高かった。
 今回の解析結果によると、2014年の平均濃度は、CO2が397.7±0.1ppm(体積比で100万分の1)、CH4が1,833±1ppb(体積比で10億分の1)、N2Oが327.1±0.1ppbで、工業化(1750年頃)以来の増加分の比率は、それぞれ、43%、154%、21%となっている。
 CO2の増加について、年報では、主に化石燃料の燃焼、セメント生産、森林伐採、その他の土地利用変化によるものとしている。2013年から2014年にかけての年平均増加量は、1.9ppmで、前1年間の増加量や、最近10年間の平均増加量(約2.06ppm/年)よりも小さく、これは、熱帯および亜熱帯地域の陸上生物圏によるCO2の年吸収量が比較的大きかったためと推測している。
 本年報は、月末からパリで開かれるCOP21の議論に資する運びだ。