内閣府、原子力艦による原子力災害対応の見直しを開始

2015年11月10日

 内閣府の有識者会議は11月6日、米軍の原子力艦による原子力災害に関する通報基準・緊急事態の判断基準などの見直しを開始した。原子力災害対策特別措置法のもと、原子力発電所等では、原子力災害対策指針の改定に伴い、緊急事態の判断基準が、「敷地境界付近5マイクロSv/h(2地点または10分以上検出)」となっているが、原子力艦では、「敷地境界付近100マイクロSv/h(2地点または10分以上検出)」と異なっており、河野太郎防災担当大臣は、「そこに差がある合理的な理由はない」として、原子力艦についても「5マイクロSv/h」に引き下げる方針を示している。
 また、原子力発電所等については、原子力災害対策指針により、半径5キロメートル圏内(PAZ)を、放射性物質の環境への放出前の段階から、即時避難など、予防的防護措置を準備する区域としているが、原子力艦では、「応急対応範囲」として、半径1キロメートル圏内を「コンクリート屋内退避または避難を実施する範囲」(原子力空母)、半径1~3キロメートル圏内を「屋内退避を実施する範囲」(同)とされている。有識者会議では、原子力艦に係る「応急対応範囲」や、異常事態発生時における通報主体の明確化についても検証することとしている。